ヨスジフエダイさんかと思ったら違う?本当にヨスジフエダイさん?
- いつ見ても綺麗なのですがボニンブルーの海に今年もたくさんの群れが映えて素晴らしい景色を見せてくれているのはスズキ目フエダイ科フエダイ属のヨスジフエダイさん達です・・・ヨスジフエダイさんは最大で全長50 cmにもなりますが私がよく見かけるのは体長25 cmほどの群れです・・・ヨスジフエダイさんって私的には小さくて可愛いというイメージだったのですが全長50cmのヨスジフエダイさんってちょっと大きすぎませんか?・・・ヨスジフエダイさんの体高はやや高めで見ての通り吻はやや突出しています・・・下の写真のヨスジフエダイさん達も皆さんこちらを向いて口を尖らせているので何か文句を言いたげのように見えますが言いたいことが有ったら心にとどめずはっきりと伝えた方がいいですよ!・・・言いたいこと言わないとヨスジフエダイさんも精神的ストレスが溜まって身体に良くないと思います。

- ヨスジフエダイさんの尾鰭は中央がわずかに凹んだ形状をしていますが背中と側面は明るい黄色で腹側にいたるにつれて白色となっていきます・・・体の側面には黒く縁取られた明るい青色の縦線が4本入っているのでヨスジフエダイさんと呼ばれていますがこの青色の縞よりもさらに腹側には淡い灰色の縦帯が数本存在します・・・ヨスジフエダイさんのほとんどの鰭は黄色く腹部には微小な赤い斑点があるので薄く赤く見えますがちなみにヨスジフエダイさんの幼魚は背中に黒い斑点がみられることがあります・・・ヨスジフエダイさんは基本的に肉食ですがお魚さんやエビさんカニさん等だけではなく藻類も食べるそうです・・・でも加齢や生息域などによっても食性は変化するようです・・・やっぱりヨスジフエダイさんも人間と一緒で年と共に食べるものの好みが変わっていくのですね。

- 一番上の写真にも写っていますが上の写真の右側にも違うお魚さんがとぼけた顔で写っています・・・パッと見ただけでは同じ仲間のように見えますが背中の筋模様が違いますよね・・・これはタイ目フエフキダイ科ノコギリダイ属のノコギリダイさんです・・・ノコギリダイさんの全長は通常20 cmで最大30 cmほどにまで成長しますが体は側扁しヨスジフエダイさんの様に口先は尖っていて体色は銀灰色をしており側面に金色の線があってその上に暗色の線があります・・・ノコギリダイさんの鰭はピンクがかった色合いをしており上唇には黄色の線があり胸鰭の付け根と鰓蓋縁は黄色くなっています・・・ノコギリダイさんの背鰭後部下方には黄色い斑点があって目はかなり大きいのが特徴です・・・下の写真では明らかに違う種類のお魚さんも仲良く泳いでいます。

- ヨスジフエダイさんはもしかしたら多様性を尊重するお魚さんなのかもしれないですね?・・・多様性とは異なる特性や特徴を持つものが共存しながら異なる価値観や背景を受入れ融合して生きていくことです・・・多様性の本質を理解すれば素晴らしいイノベーションが生まれたり異なる視点からのアプローチによって問題解決の速度を向上させることができるかもしれません・・・社会的な公正と平等を促進するためにも異なるもののニーズや権利を尊重した環境を作ることそのことが益々重要になってきています・・・そんな世界においてヨスジフエダイさんはすでに先を進んでいるように感じますね・・・それにしても海の中でヨスジフエダイさん達が群れているとこの黄色とブルーの縞々がよく目立って華やかさがあります。

- ところでヨスジフエダイさんによく似た同属種にロクセンフエダイさんという方がいらっしゃいます・・・ロクセンフエダイさんは体側面の青色の縞が5本である点でヨスジフエダイさんと区別できますがなんでロクセンフエダイさんなのに縞が5本しかないのかと思ったら鰓の辺りに短い線が1本あるのでした・・・それとヨスジフエダイさんはお腹の辺りが白いのに対してロクセンフエダイさんはお腹の辺りも黄色く全体が黄色になっています・・・さらにヨスジフエダイさんに酷似しているのがベンガルフエダイさんですがどちらも側面に4本の縞が入っていて見た目はほとんど一緒なのです・・・でも2種類の違いはお腹の白いところに注目していただくとヨスジフエダイさんは淡い灰色の縦帯が数本入っていますがベンガルフエダイさんにはそのような縞は無く白くなっているのです。

- 下の写真はヨスジフエダイさんだけでなくキンセンアカヒメジさんやノコギリダイさんも混じってみんな仲良く泳いでいるので遠目で見ていると種類が混じっているのかどうかよくわからないですよね・・・キンセンアカヒメジさんはヨスジフエダイさんとほぼ同一の体色をもちヨスジフエダイさんの群れに紛れ込むことで獲物から身を守っていると考えられています・・・確かにキンセンアカヒメジさんはヨスジフエダイさんに色合いをよく似せていますがそれぞれの個性はあり一方向から評価するだけでは真の価値に気づけない事が多々あります・・・もし真の価値に気づけないまま終わってしまうという事があればもったいない事だと思いませんか?・・・だからあらゆる方向から検討吟味しその飽くなき努力と観察力によって真の価値を露わにすることができます。

- 今まで何とはなしにリーフの端などで群れているフエダイさんの仲間を見ていましたがよくよく観察してみると面白いものです・・・今回もきれいな色をしたヨスジフエダイさんが群れていると思って撮影してみましたがよくよく見るとあれ?ヨスジフエダイさんじゃないのもいる!というかヨスジフエダイさんじゃないお魚さんの方が多いではありませんか?・・・潜っているときはそこまで意識せずボーと眺めていて気が付きませんでしたが写真を見て初めて気が付く事は多々あります・・・特に下の写真はヨスジフエダイさんの群れというよりはどちらかというとノコギリダイさんの群れといったほうが正解ですね・・・潜っているときはヨスジフエダイさんが群れていて綺麗だと思って見ていましたが体の色も尾鰭の色はもちろん体側の筋の数も全然違いますね・・・なんとなく撮影してしまってヨスジフエダイさんにもノコギリダイさんにも失礼をしてしまいました・・・「この人ちゃんとわかって私たちを撮影してるのかな?怪しいなあ?僕たち仲良く一緒に泳いでいるけど全然違う種類だからね!」って疑いの眼で見られていました?


- 下の写真は魚群を塊として撮影したくて下から海面に向けてあおって撮ってみましたがちょっと白ボケしてしまいました・・・なかなか撮影っていうのも難しいものですがいろいろな種類のお魚さんが混じっていますね!・・・それにしてもヨスジフエダイさんとノコギリダイさんは仲が良くてそれぞれの数としては半々ぐらいで同じ種類のお魚さんの群れと言っても違和感が無く見事にシンクロしています・・・群れの大きさはその日のよって違いがありますがヨスジフエダイさんは根つきのお魚さんなのでいつも同じ所で見事に群れていて「あ!今日も群れてくれてる」っていう感じで撮影するダイバーにとっては助かります・・・青い海を背景にヨスジフエダイさんが群れている様子は見ごたえがあり特に天気の良い日は鮮やかな青色をバックに光る鮮やかな黄色がとてもよく映えます。

- 下の写真のヨスジフエダイさん達は胸鰭をぴんと張って見事なホバリング状態ですが流石お魚さん達ですね!なんとなく今から飛び立ちますよ~って感じに見えてしまいます・・・そしてヨスジフエダイさん達はこちらを向いて「私たちを撮ってくれるの?・・・撮るんだったらポーズを決めるからきれいに撮ってよねえ!・・・下手に撮ったら承知しないわよ!」とでも言っているようですがヨスジフエダイさん達の正面からの表情はなんとも可愛いものですね・・・他のお魚さ達と混泳していることが多いヨスジフエダイさんですが下の写真の群れはほとんどがヨスジフエダイさんです・・・群れによって好き嫌いでもあるのか「俺たちは同じ仲間としか泳がない」とか「同じ海の中で同じような場所にいるんだから一緒に仲良く泳ごうよ」とかだったりするのでしょうか?・・・もしかしたら群れの中にボスがいてそのボスの意思で決めているのかもしれませんね?・・・一番下の写真は特徴から判断するとノコギリダイさんですがヨスジフエダイさんとよく混ざって泳いでいて体の色は白っぽい時やくすんだ色になっている時や暗い体色になる時もあって不思議です・・・よく似たお魚さん達にもそれぞれの特徴がありますがその特徴も重なったり逆に薄かったりする場合があるので総合的に判断するしかありません。




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