オオイソバナさんを愛でるいなせなタテジマヘビギンポさん!
- スズキ目ヘビギンポ科クロマスク属のタテジマヘビギンポさんが休んでいるサンゴさんって見た感じゴツゴツしていて石みたいに見えますがもちろん生き物であり動物です・・・でも生きているサンゴさんの本体はポリプと呼ばれている小さなもので石みたいにゴツゴツしている所はポリプが住んでいるいわゆる家にあたるものです・・・サンゴさんは種類が違うと見た目が大きく違った個性のある家をそれぞれ作りますがテーブルの様な家や木の枝の様な家また丸いボールや平べったい家など種類も様々でそこに住んでいるお魚さん達も好みがそれぞれ違うようです・・・人間も一軒家がいいのかマンションがいいのか田舎がいいのか都会がいいのかいろいろですので当然と言えば当然かもしれません・・・それぞれの家にはそれぞれの良さがありますから自分の優先順位が何なのかを確認することが大切なのかもしれません。

- サンゴさんの本体であるポリプは手の指ような触手を使って流れてくる小さなプランクトンなどを捕まえて食べていますが実はポリプが生きていくにはそれだけでは足りません・・・動けないサンゴさんは「褐虫藻」を家の中で飼って「褐虫藻」から足りない栄養をもらっているのです・・・いわゆるポリプは家庭菜園をしてお腹が空いた時にそれを食べて生き延びているという事ですが褐虫藻がいなくなったサンゴさんは色がなくなり真っ白になってしまいます・・・これがいわゆるサンゴさんの白化現象で水温が高くなると何らかの原因で褐虫藻がサンゴさんからいなくなってしまい結果食料が尽きてサンゴさんはお腹が空き過ぎて死んでしまうという事の様です・・・この写真のサンゴさんはオオイソバナさんだと思いますが細い枝には小さなポリプがたくさんついていて元気に生きているようですね。

- 大きな幹の上でタテジマヘビギンポさんがのんびりと休憩していますがタテジマヘビギンポさんもオオイソバナさんの綺麗な枝ぶりを愛でながら「今年も綺麗に咲いたなあ!やっぱりポリプが元気だと嬉しいなあ!」って言っているようです・・・ちなみにタテジマヘビギンポさんにも自分の好きな場所があるようで驚くとサッとその場からいなくなるのですが直ぐに元の所に戻ってきます・・・やっぱりタテジマヘビギンポさんにも好みがそれぞれあって「私はここの場所から眺める景色が好きなんだ」というのがあるんですね・・・タテジマヘビギンポさんは体長4cmほどの大きさで赤みを帯びた体に明瞭な青白いストライプがおしゃれなヘビギンポさんの仲間です・・・これだけスマートにストライプの服を着こなしているお魚さんも少ないのですが結構見かけることが多いタテジマヘビギンポさんです。

- 人間から見たら筋が身体に沿って横に走っているので横縞に見えますがご存じの通りお魚さんにとっては頭から尻尾にかけて縦に筋が入っているので縦縞になります・・・ハマサンゴさんやイソバナさんなどの上にちょこんと乗ってかわいい姿を見せてくれるのですが何が気になるのかキョロキョロキョロキョロと落ち着きのないギンポさんです・・・今日もサンゴさんに映えるお洒落なストライプが決まっていてクールなタテジマヘビギンポさんですが目立つ自分の洋服が一番のお気に入りなのでしょうか?・・・このタテジマヘビギンポさんは私が近づいても逃げずに被写体になってくれ比較的撮影しやすいお魚さんで「どうだ!お洒落だろう?きれいに撮ってくれよ!後で確認するからな!」とでも言っているようです。

- 上の写真のタテジマヘビギンポさんは胸鰭をぴんと立ててしっかりと地面に足をつけて踏ん張り凛々しく堂々としていますねえ・・・尾鰭までスッと伸ばして姿勢がいいのですがきっとこの場所がこのタテジマヘビギンポさんのお気に入りの場所なのでしょう・・・口元を見ていただくとおわかりになると思いますが口をへの字にしてまるで頑固おやじが『俺のお気に入りの場所を邪魔するなよ!』とでも言うように小さい身体で辺りになかなかの睨みをきかせています・・・タテジマヘビギンポさんを正面から見るとおちゃめな顔をしていますが顔の正面の青い斑点がスライムというか?小さなロボットというか?そんな表情をした模様に見えるのは私だけでしょうか?・・・それとサンゴさんの模様がまるで和風枕の柄のようにも見え「やっぱりこの柄の枕じゃないと安心して眠れないんだ!」って言っているようですが小さい体なのにこんなに派手に目立って大丈夫なのでしょうか?ちょっと心配になります。

- タテジマヘビギンポさんは5~6cmの大きさで潜っている時はあまり目立たないのでスルーしがちなのですがよく見ると縦縞ストライプが粋で綺麗なギンポさんなのです・・・下の写真では岩陰の天井に仲良く並んでこちらを見ていましたので撮影してみましたがこのタテジマヘビギンポさん達はペアなのでしょうか?・・・「もう!せっかく岩陰に隠れて2人で仲良く内緒話していたのに私たちの恋路を邪魔しないでよ!あっちに行ってよ!」っていう感じでしょうか?・・・それとも2匹のタテジマヘビギンポさん達はもしかしたら縄張り争い直前の睨み合いか?この辺りを縄張りとした群れの偵察隊で「何か怪しいやつが来たからちょっと様子を見に行かないか?」と岩陰から警戒していた所をうっかり私に見つかってしまったといった感じですか?・・・そう考えると確かに眼が「しまった!見つかってしまった!」という表情にも見えますし浮足立った気配を感じますね・・・今回主役のタテジマヘビギンポさん達は私が気づかないうちにいろいろな被写体の後ろにこっそり写りこんでいて後から「あ!こんなところに!」と気が付く事が多々あり普段は脇役に徹しているタテジマヘビギンポさんですが実は目立ちたがり屋さんなのかもしれません!

ダルマハゼさんの瞳はエメラルドグリーン!(改)ケラマ
- サンゴさんの隙間に隠れてこちらの様子をこっそり伺っているのは誰でしょうか?・・・皆様ご存じかと思いますがとってもシャイなダルマハゼさんです・・・ダルマハゼさんの頭にはよく見ると髭らしきものがもじゃもじゃと生えているのですがそんな事とは関係なくとても小さくてかわいいお魚さんです・・・先ほども申しましたがダルマハゼさんの頭は淡褐色で細かいひげ状の突起がたくさんありますが体側や各ひれは暗色であることが特徴になっております・・・このことでよく似たクロダルマハゼさんやアカネダルマハゼさんと区別ができます・・・ダルマハゼさんはヨゴレダルマハゼさんとも似ていますが頭部のひげ状突起が長いことや眼の周囲に細かい斑紋があることなどで見分けられます。

- ダルマハゼさんは内湾やサンゴ礁域の斜面にいるショウガサンゴさんなどの間にこっそりと隠れて暮らしていて体長は2cmほどしかない小型で愛嬌のある顔をしたかわいいハゼさんです・・・それにしてもこのダルマハゼさんはとても臆病なハゼさんなので写真を撮ろうとしても怖がってなかなか姿を見せてくれません・・・全身を何とか見て見たいと思ってあちらこちらからサンゴさんの隙間を覗くのですがダルマハゼさんはさらにサンゴさんの奥のほうに隠れてしまいます・・・ダルマハゼさんにしてみれば当然ですよね・・・何かでっかい顔をした不思議な生き物があちらこちらから覗いてくるんですからたまったものではないですよね・・・奥の方に入ってしまったダルマハゼさんの顔だけが少し見えるのですがエメラルドグリーンの瞳がこちらを恐々と伺っていますよ~・・・これだけサンゴの奥に隠れてしまうとピントを合わせるのがなかなか難しいダルマハゼさんで~す・・・怖がらせてごめんなさい!

ダンゴオコゼさんとヨゴレダルマハゼさんの違いは?(改)柏島
- スズキ目ダンゴオコゼ科のダンゴオコゼさんは体は丸くてよく側扁し赤色の斑紋が一面に散らばっていますがその場所以外は小突起で密に覆われて尾びれの後縁は円くなっています・・・ハナヤサイサンゴ属のサンゴさんと一緒に住んでいるダンゴオコゼさんの体長は5センチメートルほどにしかなりません・・・横顔からヨゴレダルマハゼさんかなと思ったのですが正面から見ると全然違いますね・・・頭が随分平べったいのでダルマハゼさんでは無くダンゴオコゼさんでした・・・もう少しサンゴの隙間から勇気を出して出てきてくれればわかりやすいのですが簡単には出てくれないようです・・・ダンゴオコゼさんの表情からとても怖がっていることが分かりますがサンゴさんの隙間から恨めしそうにこちらをじっと伺っています・・・「怖いんだから近くに来ないでよ!あっちに行って!!」とでも言っているようです・・・確かにダンゴオコゼさんから見ればダイバーなんて超巨大で口からブクブクと泡を吹きだす不気味で恐ろしい生きものですからね・・・ダンゴオコゼさん驚かせてすみません。

- ちなみに間違えたダルマハゼさんは体長は2cmほどで日本にはアカネダルマハゼさん・クロダルマハゼさん・パンダダルマハゼさん・カサイダルマハゼさん・ダルマハゼさん・ヨゴレダルマハゼさんの6種が確認されています・・・アカネダルマハゼさんは頭部に細かいひげ状の突起が密生していて体の色は薄い黄色でとてもきれいな色をしています・・・クロダルマハゼさんは体の色は真っ黒で顔の周りにひげのようなものがたくさんあります・・・パンダダルマハゼさんは体の色は乳白色で胸びれあたりから頭部にかけて徐々に山吹色になっていて腹びれ以外のひれは全て黒色で和名の「パンダ」の由来になっています・・・カサイダルマハゼさんはパンダダルマハゼさんに似ていますが胸びれが透明に対してパンダダルマハゼさんは黒いので区別することが出来ます・・・ダルマハゼさんは頭部のひげ状突起が長く体の前半部と後半部の明暗が明瞭で頭の輪郭が丸くなっています・・・ヨゴレダルマハゼさんはダルマハゼさんに似ていますが頭部のひげ状突起が短いことや体の前半部と後半部の明暗が不明瞭な部分で区別が出来ます。

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