コブシメさんの赤ちゃんは生まれたばかりで何を夢みる?
- コウイカ目コウイカ科に属するコブシメさんは沖縄ではアオリイカさんに並ぶ高級なイカさんとして扱われていますが肉厚で刺身がとてもおいしいそうです・・・アオリイカさんは私も食べたことがありますが確かにとても美味しかったのでコブシメさんも一度ご賞味したいものです・・・でもこんなに可愛いコブシメのおちびさんの顔を見せられるとちょっと躊躇しますね・・・コブシメさんの名前の由来は沖縄での呼び名「クブシミ」から来ていてとても大きく墨がたくさん取れるイカさんという意味だそうです・・・この写真のコブシメさんはまだ生まれたばかりなのか小さな身体でとても眠そうな眼をしていますがこんな小さな身体でも一人で生きていかなければならないコブシメの赤ちゃんなのです・・・先ほどは一度ご賞味したいなどと失礼な事を申してしまってごめんなさい・・・あどけなさが残る可愛いコブシメの赤ちゃん!どんな荒波にも負けず生き残ってください!!

- この写真の頃のコブシメさんはまだ2cm程度ととても小さいのですが関東ではスミイカさんと呼ばれたり関西ではマイカさんと呼ばれたりもする50cmを超える大型のイカさんなのです・・・50cmを超える大型のイカさんになったらもう食べてもいいかな?なんて食い気の走る私です・・・この写真のコブシメさんも別に食べたいわけではないのですが無事に早く大きく育ってほしいものです・・・コブシメさんは暖かい海を好みサンゴ礁で暮らすのが基本で普段はフヨフヨと流れに乗って浮いていますがこの時も小さな身体でフヨフヨと流れに乗って泳いでいました・・・コブシメさんは小魚やエビさん・カニさんが好みで待ち伏せる形で餌が近づくと足を開いて素早く襲い掛かりますがこのコブシメの赤ちゃんはこんなに小さいのに捕まえることができるのかな?・・・逆に襲われそうな気がします。

- コブシメさんは生涯を1~2年の短い期間で終えるのが基本的なサイクルだそうですのでこんなに小さいコブシメのおちびさんもこの大きさから一気に巨大イカさんに成長するということですよね!!・・・何か信じられない成長速度ですがこんなに小さくて可愛いコブシメのおちびさんも直にあの大きなコブシメさんに変身してしまうのですね?・・・それからコブシメさんは晩春から初夏にかけての産卵期になると水深が比較的浅いサンゴ礁まで移動してきて上手にサンゴの隙間に足を延ばして一つ一つ卵を産み付けます・・・この産み付けられた乳白色の卵塊は2~3㎝程あり1度に100~200個もの数を2か月間に渡って数度産卵をします・・・またメスが卵を一生懸命産み付けている時はオスがその隣で外敵に目を光らせながら毅然と守っているのです。

- 卵を無事産み付けたその後も卵が孵化するまでオスが卵の周囲に浮かんで外敵から守るのですがこの時のコブシメさんは卵の周りをホバリングしながら身体の色を変化させたり威嚇してきたりで見ていても健気な感じがします・・・そんなこんなでやっと孵化したコブシメの赤ちゃんは深場に向かって勇気を持って旅立ち30m以深で生活するようになります・・・私も産み付けているところを見たことがありますがこの卵塊は確かに2~3㎝程ありとてもきれいな乳白色をしていました・・・また墨がたくさん取れるイカさんという意味合いのコブシメさんは確かに墨を吐くと辺り一帯が真っ黒になるほどのもの凄い量の墨を吐きます!・・・以前ダイビング中にコブシメさんを見つけた時コブシメさんがびっくりしたのか大量の墨を吐いたことがあったのですが周りが全く見えないくらいになりました。

- またコブシメさんは主に浅場のサンゴ礁の辺りを住処としていて穏やかな海域を好むのですがそれはコブシメさんがあまり泳ぎが得意ではないからのようです・・・確かにコブシメさんの動きを見ているとエンペラをピロピロ動かしてのんびりゆっくり進んでいきますしあまり泳ぎが得意ではないように見受けられます・・・だからなのかコブシメさんは待ち伏せタイプの捕食者として上手に擬態して獲物を待ち構えているのかもしれませんが世の中には泳ぎが得意でないイカさんもいるんですね・・・産卵期には雄と雌のペアで行動しますがコブシメさんは雄同士で激しい縄張り争いをすることが知られていて体の色を変化させたり形状を変えたりすることによって敵を威嚇したりします・・・私も見たことがあるのですが見る間に目まぐるしく色を変えたり姿形を変えたりでその行為は神秘的な感じがしました。

- コブシメさんの雄にはエンペラから胴側部にかけて白色の横筋模様が存在しますが雌にはこの模様は存在せず判断自体は難しくありません・・・でも模様が明確になるのは雌雄共に成熟してからになります・・・一般的なコウイカさんは外套長15~25センチ体重3キロ程度ですがコブシメさんはコウイカ類の中でも最大種でありその大きさは外套長50センチ体重12キロにもなることもあります・・・と言うことはコブシメさんを抱えるとお米の10㎏袋より重いということですからそう考えるとかなりの重さになります・・・それからコブシメさんはいつも目を閉じているのかのような目をしていますがそんなコブシメさんを見ていると何だか妙に癒される私なのです・・・目の前をかわいくエンペラをひらひらさせながら潜水艦のような形で色を様々変えながらコブシメさんがゆっくり進んでいきましたがこのコブシメさんは雄ですかね?

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