歯をむき出しで怖い顔のシロワニさん!深呼吸!リラックス!

- 久しぶりに小笠原の海に行ってきましたが2クールの間ずっと天気が良く気持ちの良いダイビングができました・・・まずは世界中の暖かい海の沿岸で暮らしているネズミザメ目シロワニ科シロワニ属のシロワニさんですが大型のサメさんで全長3.2mにもなります・・・シロワニさんの体型は流線型で肩?の辺りが太くとても重量感があり背側の体色は褐色から灰色になっていて腹側は白くなっています・・・それからシロワニさんの2基の背鰭はほぼ同じ大きさなのですが尾鰭は上葉が長く伸びていてなかなかお洒落でかっこいいです・・・シロワニさんの幼魚期の頃は体側に不鮮明な薄色斑が見られることもあるそうですが成魚になると消失してしまいます・・・シロワニさんの吻はやや扁平な円錐形で口は大きく何故か常時半開きになっていて両顎の歯はほぼ同形の牙状で最前歯だけでなく後ろの数列も立ち上がり歯がずらりと並んだ外見はとても恐ろしい印象を与えます。

- 今回は小笠原のケータ島のポイントなんですがもうすぐエキジットという時に遠くに大きな影が見えたので慌てて近づいてみると何とそれが大きなシロワニさんでした・・・シロワニさんの活動は夕方からなので昼間は岩陰などでじっとしていることが多いのですがこのシロワニさんは我々の前に悠々と現れてくれたのです・・・ありがとうございますシロワニさん!!・・・シロワニさんは他のサメさんと同様浮き袋は無いのですがシロワニさんは水面で空気を吸い込み浮き袋の代わりに胃に空気を溜めることができるそうです・・・でも胃に空気を貯めてるなんて食事する時はどうするのでしょうか?・・・食べる時はいったん胃の中の空気を出すのでしょうか?・・・と言うことは食前にボフっとゲップをして食事の準備をするのでしょうか?・・・よくわかりませんがそんな場面も見てみたいものです。

- それからシロワニさんはネズミザメ目に見られる卵食型に分類されますがシロワニさんの場合はその最も特殊化したタイプで未受精卵だけでなく同じ子宮内の他の胎仔も捕食する卵食・共食い型なのです・・・シロワニさんは55mmで孵化し未受精卵や他の胎仔を食べるようになりますが生まれてすぐに弱肉強食の世界に放り込まれしかも身近の戦いで生き残ったシロワニのおちびさんだけが生まれる事ができるなんて凄過ぎます・・・サメさんには子宮が2つありますのでそれぞれに1尾の胎仔が生存競争を生き残りますのでシロワニさんの産仔数は最大で2尾となるのです・・・産まれてくるシロワニのおちびさんの大きさはすでに約1mにもなるそうで生まれてきたシロワニさんの主な餌はサメさんやエイさんを含む魚類や甲殻類や頭足類などです。

- ところでシロワニさんはサメさんなのになぜワニという名前が付けられているのでしょうか?・・・一説にはシロワニさんは体型が太く流線型であり特に頭部がワニさんに似ているからワニという名前が付いたとか鋭い牙状の歯を持ちその歯並びがワニの歯に似ていることからその名前が付いたとも言われています・・・確かにいつも半開きの口から見えるこの鋭い歯は怖くてワニさんのようにも見えますね・・・またそれ以外にも日本神話に出てくる因幡の白兎の話でも出てきましたが島根県と兵庫県の一部の地域ではサメさんをワニと呼ぶことが一般的でシロワニさんもその一環としてワニと呼ばれているのではないかという説もあります・・・いずれの説が正しいのか?はたまたすべて正しいのか?私にはよくわかりませんがシロワニさんはワニという名にふさわしい立派なサメさんです。


- シロワニさんは全長3mを超える大きなサメさんですが最大全長4mを超えるものもいると言われていて流線型でずんぐりと太く重量感があるシロワニさんは迫力がやっぱり凄いです・・・ちなみにシロワニさんは見た目は狂暴そうで怖いのですがサメさんにしては大人しく比較的温厚な性格であまり人間を襲うことはないと言われています・・・でもシロワニさんを見に近くまで行ったり一緒に泳いだりなんてことも可能ですがサメさんはサメさんなので全く安全という訳では無いので刺激し過ぎないように注意しましょう・・・遠くから尾鰭をフリフリゆっくりとシロワニさんが近づいてきましたがやっぱりなかなかの迫力です・・・性格がおとなしいならそんなに歯をむき出しにしたりしないで容貌をもう少し可愛くしてくれたらいいのですが。


- 卵を産む動物達は卵を沢山産みますが卵の状態ではほとんど捕食者に食べられてしまいますし孵化した後も成長するまで弱いので大きくなれる個体の数はそう多くありません・・・シロワニさんは妊娠期間は9-12ヶ月で脆弱な卵~幼生の期間を安全な子宮内で保護し立派に成長させてから出産されますので出産直後でも体長1mの立派なサメさんとなっており簡単に捕食者に食べられることはないのです・・・それとシロワニさんには子宮が2つあるのでそれぞれに1尾の胎仔が生き残り産仔数は最大で2尾となりますがシロワニさんも兄弟で生まれると心強いかもしれませんね・・・それからこのシロワニさんは世界中の暖かい海に生息しているそうですが実は国際自然保護連合(IUCN)に絶滅危惧種として登録されています・・・日本では小笠原諸島でしか観察されていないとのことなので兄弟二人でしっかりと生き残ってほしいものです。

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