威風堂々の迫力あるイソマグロさんに子供たちは育ってるかな?

- ふと海面を見上げるとまだまだ幼さは残っていますが威厳あるスズキ目サバ科イソマグロ属のイソマグロさんの群れが泳いでいました・・・イソマグロさんはマグロという名前が付ていますがイソマグロ属を1種のみで構成するお魚さんで所謂マグロさんとは属が異なる種類なのです・・・イソマグロさんは全長1mほどで中には2mに達するものもいますがイソマグロさんはマグロ類よりも下顎が厚くがっしりしており顎には鋭い歯が並んでいて体型も前後に細長くなっています・・・イソマグロさんの鱗は目の後ろの胸鰭から側線周辺にしかなく側線は体の後半部で波打っています・・・ちなみに側線とは魚類が水中で水圧や水流や電場の変化を感じとるための器官で体の側面にあり1対が普通ですが2対以上持つ種類もあり側線鱗と呼ばれる鱗に覆われており側線鱗の孔によって種を区別することが可能だそうです。

- イソマグロさんの体色は背側がくすんだ藍色で腹側が銀白色をしていて下から見上げるとその銀白色がみごとに美しく光り輝いています・・・ちなみに近縁のハガツオさんはイソマグロさんと同じ様に下顎は厚くがっしりとしていて顎には鋭い歯が並んでいますが通常50~60cmほどでイソマグロさんよりかなり小さめです・・・中には全長1m以上に達する大型のハガツオさんもいますが身体の色は背中が青色で細くて黒い縦縞が片側に6~7条あり腹側は銀白色になっています・・・ハガツオさんの背中にある縦線模様はイソマグロさんには無くこの点でハガツオさんとイソマグロさんの区別ができます・・・またハガツオさんはカツオさんとも似ていますがハガツオさんは頭部や体型が前後に細長いことや鋭い歯が目立つことそれから背中側に縦縞があり腹側に縞が出ないことでカツオさんと区別できます。

- マグロ属の中で有名なクロマグロさんは全長3 mを超えるものもいて日本沿岸で漁獲されるマグロ類としては最大種で体型は太短い紡錘形で横断面は上下方向にわずかに長い楕円形をしています・・・イソマグロさんでも大きくなると迫力がありますがクロマグロさんの太くて大きな身体からにじみ出る迫力と威圧力は圧倒的ですね・・・クロマグロさんの身体の色は背中側が濃紺で体側から腹部にかけてが銀灰色をしていて所謂黒いダイヤとして光り輝いています・・・クロマグロさんの背鰭は二つとも灰色なのですが第二背鰭先端とその後に続く小離鰭は黄色を帯びていて尻鰭とその後に続く小離鰭は銀白色をしています・・・それからクロマグロさんの体表には小さな鱗がありますが目の後ろ・胸鰭周辺・側線部は大きな硬い鱗で覆われています・・・またクロマグロさんの幼魚期は体側に白い斑点と横縞模様が並んでおりクロマグロさんの幼魚の地方名「ヨコワ」はここに由来しています。

- それからクロマグロさんとタイセイヨウクロマグロさんはマグロ属の中で最も胸鰭が短く第二背鰭に届かない点で他種と区別できます・・・クロマグロさんは外洋の表層・中層で暮らしていて同じくらいの大きさの個体同士で群れをなし高速で回遊します・・・クロマグロさんの大型個体の遊泳速度は70~90 km/hに達すると言われ海中を遊泳する他の魚や甲殻類や頭足類などを日中にバクバク捕食する肉食性のお魚さんです・・・イソマグロさんの捕食シーンは見たことがありますがものすごい速さで泳ぎ回り例えるならば正に大砲です・・・クロマグロさんは夜間は捕食しないのに他のマグロ類と同様に睡眠を取らずに泳ぎ続けるのは口を開けながら泳ぐことで呼吸をしているためです・・・クロマグロさんは他の魚のように鰓呼吸ができないため泳ぎ続けないと酸素を取り入れることができず死んでしまうので寝ずに泳ぎ続けるのです・・・何かかわいそうな気がします。

- 小笠原の父島から船で2時間近くかけてやってきた所に嫁島のマグロ穴というポイントがありますが潜ってみると居ました居ました立派なマグロさんの群れが・・・イソマグロさん達は潮の流れなんか俺たちには関係ないやとでも言うように悠々と泳いでいて流石イソマグロさん達です・・・ちょっと海が濁っていてイソマグロさんの姿を綺麗に見れなかったのですが群れの中には結構大きな個体もいて正に威風堂々という言葉がぴったりのイソマグロさん達でした・・・その他にもネムリブカさんやウミガメさんやヨスジフエダイさんの群れやウメイロモドキさんの群れなどが乱舞していて圧巻のポイントでした・・・下から覗くイソマグロさんの雄姿に見とれながらシャッターを押していたのですがなかなか近づいてくれないし透明度もそんなに良くなかったので綺麗に撮れませんでした。

- ダイビング中に見かけるマグロさん達はほとんどの場合はこのイソマグロさん達ですが貫禄があって憧れちゃいます・・・マグロさんというと美味しそうに見えますが実はイソマグロさんは身にしまりがなく味は残念ながらいまいちだそうです・・・イソマグロさんは潮の流れのある所に居てタカサゴさんなどの群れを追いかけていますがその姿とその速さは力強く迫力はなかなかのものです・・・かなり怖い顔をして大砲の様にドーンと泳いでいるイソマグロさんですが警戒心はとても強くなかなか近づくことができません・・・特にダイバーの泡を嫌うため嫁島のマグロ穴でイソマグロさんの群れに近づく場合には壁際を進んで泡を見せないようにする必要があります。

- それにしてもイソマグロさんはシュッとしていて威風堂々とかっこいいですよね!・・・ハガツオさんに近いイソマグロさんは姿がマグロさんに似ていますからイソマグロさんという名前になっていますがマグロさんとは少し遠い親戚のようなものになります・・・マグロさんが広い海を回遊するのに対しイソマグロさんは比較的浅い岩礁域のまわりを群れで泳ぎ回っていて単独や数十尾の群れで回遊し小魚やイカさんなどの頭足類などを捕食しています・・・今回のイソマグロさんはカマスさん狙いでしょうか?・・・それにしてもイソマグロさんがあまり遠出しないというのは意外ですが下の写真のイソマグロさんは尾鰭あたりが銀色に光っていてとっても素敵です・・・ちなみにハガツオさんはカツオさんの仲間で頭がカツオさんよりも細長いためキツネガツオさんとも呼ばれていますがキツネの顔を持ったお魚さんを想像してしまいますね。

コメント