不思議な雰囲気のシチセンチョウチョウウオさん! 2024 小笠原
- 昨晩眠れなかったのか虚ろな瞳でチョコチョコ泳ぎまわっているのはスズキ目チョウチョウウオ科チョウチョウウオ属のシチセンチョウチョウウオさんです・・・虚ろな瞳で寝ぼけているのかというと全くそうではなく写真を撮ろうとしてもサッと素早く泳いでいなくなってしまいます・・・シチセンチョウチョウウオさんは雑食でサンゴのポリプを主として底生の小動物や藻類などを食べながら単独またはペアで生活しています・・・下の写真のシチセンチョウチョウウオさんもサンゴさんのポリプを食べようとしているのか?・・・それとも底生の小動物を見つけて狙いを定めているのでしょうか?・・・「お!見つけた!」と何か狙いを定めている様な仕草ですね・・・お腹いっぱいになることを期待してます。
- シチセンチョウチョウウオさんの全長は12cm程度の大きさで黄色または茶色がかった黄色をベースにたくさんの黒の斑点と7本の縦ラインが並んでいます・・・7本の縦ラインといっても薄かったり多く見えたりで名前にシチセンが付いているとは思えないほど微妙なラインとなっています・・・またシチセンチョウチョウウオさんの頭頂部付近には黒い斑があり目を通る黒く縁取られた黄色やオレンジ色の帯も見られます・・・シチセンチョウチョウウオさんの頭頂部にある黒い斑点が私には角の様に見えて強そうな印象を与えてくれます・・・またシチセンチョウチョウウオさんの尾鰭基部はちょっと下の写真ではわかりづらいのですがオレンジ色になっていて尾鰭には黒い横帯が見られ尾鰭の後端は透明になっています。
このシマウミスズメさんは左目の上に棘がない? 小笠原
- フグ目ハコフグ科コンゴウフグ属に属するシマウミスズメさんですが仲間にはウミスズメさんとコンゴウフグさんがいます・・・ハコフグさん達は皮膚に骨板が発達していてそれらが多数絡み合って全身を装甲する硬い甲羅を構成しています・・・そのため他のフグさんの様に膨らむことはありません・・・全体の形は丸みを帯びた箱状となっており泳ぐ能力はあまり優れていないようですが色も美しく小さなヒレを使ってチョコチョコチョコと泳ぐ姿がとても愛らしいお魚さんです・・・歯は全部が融合してペンチ状の歯板を形成することはなくカワハギさんなどと同様にくちばし状の吻の先端にノミ状の歯が集まった形状になっています・・・シマウミスズメさんは黄色からオレンジ色の体色で体側から背側には鮮やかな青色の虫食い状の線や斑が見られるのが特徴ですがこの模様は生きている時だけで死んでしまうとくすんだり消失したりするのだそうです・・・シマウミスズメさんの大きさは20cm程度までになり群れを作らず単独で沿岸のサンゴ礁域や岩礁域で底生動物などを食べて生活しています・・・シマウミスズメさんは目の間から1対の棘が前方に飛び出ていて臀ビレの起部の前には後ろ向きの棘があり背にも1本の棘があります・・・口は少し尖ったおちょぼ口で虹彩はきれいなエメラルドグリーンをしています。
- コンゴウフグさんの体長は30~50cmくらいで黄色い身体に眼としりびれのあたりに1対の棘が伸びておりこの棘は成長すると長くなりますが老成するとなぜか短くなるそうです・・・この棘が古代インドの法具である金剛杵に似ているためこの和名がついたそうです・・・ウミスズメさんは体長は25-30cmくらいで眼の前方に前向きの棘と臀ビレの起部の前には後ろ向きの棘がありこれらの棘はコンゴウフグさんほどではないですがいずれも長くて大きなものです・・・またコンゴウフグさんとは異なり背側の中央にも後ろ向きに伸びる棘があります・・・ウミスズメさんの体の色は茶色~黄褐色ですが若魚の腹面は半透明になっていて光を透かすと腹底の水が輝いて美しく見えるためミズカゴさんという別名もあります・・・ウミスズメさんは捕食者から身を守るため皮膚からサポニンのような毒を含む粘液を分泌しており不用意に刺激すると毒を多量に放出するそうですがこのとき周囲の魚だけでなく自分まで死んでしまうことがあるそうです。
遠目ではシマキンチャクフグさんもノコギリハギさんも同じ? 小笠原
- シマキンチャクフグさんは全長10cm前後の小型種で体側に大きな鞍状斑がありますがよく似たフグさんにハナキンチャクフグさんとクマドリキンチャクフグさんがいます・・・シマキンチャクフグさんとハナキンチャクフグさんとの違いはハナキンチャクフグさんには橙色の縁取りがあることです・・・シマキンチャクフグさんとクマドリキンチャクフグさんとの違いはクマドリキンチャクフグさんの吻に暗色横帯があることです・・・シマキンチャクフグさんは比較的暖かい海で暮らしていておとなしい性格ですがフグ科のキタマクラ属に属しているお魚さんでフグ毒を持っています・・・小さなかわいいフグさんなので食べることはないと思いますがご注意ください・・・ちなみにキタマクラさんは名前が死者を安置する時の北枕に由来するとされていてなんとも恐ろしい名前を冠した有毒なお魚さんです・・・そんな名前をもっているキタマクラ属に属しているなんてかわいい顔をしてなかなかのものです。
- また種類は全く違いますがシマキンチャクフグさんに姿がそっくりなフグ目カワハギ科に属するノコギリハギさんという方達もいます・・・このノコギリハギさんは毒をもつシマキンチャクフグさんに擬態することで毒をもっていないのに「俺は毒をもっているんだぞ!食べられないぞ!食べたら大変なことになるぞ!」とアピールして自分を守っているのです・・・なかなか賢いノコギリハギさんですよね・・・ちなみに上の写真はシマキンチャクフグさんで下の写真はノコギリハギさんだと思うのですが如何でしょうか?
- ノコギリハギさんとシマキンチャクフグさんの違いは第2背ビレの形が1番のポイントでノコギリハギさんは背ビレの基底部が幅広く長方形のような形をしているのに対してシマキンチャクフグさんの第2背ビレは他のフグ科の魚と同じように幅の短い扇型をしています・・・その他にノコギリハギさんは背中の頂点にカワハギさんのような第1背ビレがありますがシマキンチャクフグさんはこの部分は平らで何もありません・・・また尻ビレもノコギリハギさんは通常の魚のように身体の中央部分から始まり尾の付け根まで続く長いヒレですがシマキンチャクフグさんは後部にウチワのような幅の短い尻ビレを持っています・・・下の写真はヒレがよくわからないのですがおそらくシマキンチャクフグさんではないかと思います?
シマキンチャクフグさんがお馬さんごっこピロピロピロ!(改)ケラマ
- フグ目フグ科のシマキンチャクフグさんは全長10cm前後の小型種のフグさんで目がクリクリっとしていて体側に大きな馬の鞍状斑がありお馬さんごっこでもしているようです・・・鰭をピロピロピロと動かしながらヨチヨチと可愛く泳ぐ姿はたまりません・・・シマキンチャクフグさんによく似たフグさんにハナキンチャクフグさんとクマドリキンチャクフグさんがいます・・・ハナキンチャクフグさんとは鞍状斑に橙色の縁取りがないことで区別ができクマドリキンチャクフグさんとは吻に暗色横帯がないことで区別ができます・・・キンチャクフグさんはキタマクラの仲間で小型種が多くカラフルな色・模様が特徴的なフグさんです。
- またフグさんではないのですがシマキンチャクフグさんによく似たフグ目カワハギ科のノコギリハギさんという方もいます・・・このノコギリハギさんは他の生き物から身を守るためにシマキンチャクフグさんに擬態していることが知られています・・・毒を持たないノコギリハギさんがシマキンチャクフグさんの姿に似せることで敵から襲われないようにしているのです・・・ノコギリハギさんって賢いと言うかちゃっかりしていると言うかなかなかですね・・・外見以外にもノコギリハギさんは腹部を僅かながら膨らませることができるそうです・・・シマキンチャクフグさんとノコギリハギさんの違いはノコギリハギさんの方が背鰭や尻鰭の基底が長くまた第一背鰭を持っていてシマキンチャクフグさんは他のフグさんと同様小さい団扇の様な鰭になっています・・・その他にはノコギリハギさんの体側に見られる暗色の斑点も小さくなっています。
- シマキンチャクフグさんのオスとメスは体のサイズ以外に違いは無いように見えますがよく観るとオスの目元はメスに比べ随分派手派手なグリーンとオレンジの縞模様になっています・・・この写真のフグさんはそこまでの派手さは無くおしとやかな色をしていますのでメスのようです・・・でもなぜオスのほうが派手なのでしょうか?メスも着飾ってもいいようなものですが?・・・オスは目立つことでメスにアピールでもしたいのかそれとも歌舞いていたいのかよくわかりませんがまあ派手な事は悪い事ではないと思います。
お洒落しているシマタレクチベラさん 2024 小笠原
- 派手な化粧をしていますがよく見るとちょっと愛嬌のある顔をしたお魚さんがのそーっと近づいてきました・・・これはスズキ目ベラ科タレクチベラ属のシマタレクチベラさんではないでしょうか?・・・同じ属のタレクチベラさんによく似ていますがシマタレクチベラさんには体側に幅が広くちょっと地味な黒色の横帯が数本あるのが特徴です・・・また先ほども申しあげましたがシマタレクチベラさんの頭部は地味な身体とは対照的に派手な色彩をしています・・・それから唇は分厚くちょっと下向きになっているので他のお魚さんと区別するのは容易なのですがこの下向きの分厚い唇で底生生物を砂ごと口に入れて余分な砂を鰓から吐き出して捕食しています・・・シマタレクチベラさんは海域や個体によって色彩が大きく異なる場合があり大型個体では体長80cmに達するものもいます・・・ちなみにシマタレクチベラさんの幼魚は緑色で白色の横帯があります。
- シマタレクチベラさんによく似ているスズキ目ベラ科タレクチベラ属のタレクチベラさんは体長は80cm前後でサンゴ礁域や岩礁域で暮らしています・・・タレクチベラさんの身体の色は前半部が明色で後半部は暗色の2色に分かれていますが若魚では2色の間の白色がくっきりとしています・・・タレクチベラさんもシマタレクチベラさんと同じで唇がぶ厚いのが特徴で底生生物を砂ごと口に入れて余分な砂を鰓から吐き出して捕食します・・・タレクチという名前もここから来たのでしょうか?・・・タレクチベラさんのオスは全体的に暗色ですが腹部に白色の三角形の斑紋を残すものが見られます・・・タレクチベラさんのメスの体色は前方が白く後方が暗色に染め分けられ水中でもよく目立っています・・・話は変わりますがこの写真のシマタレクチベラさんの眼の後ろの黒斑が本当の目に見えてしまって仕方が無いです。
カエルアマダイ(ジョーフィッシュ)さんはひょうきん顔で何を考える?
- 別名ジョーフィッシュさんと呼ばれ何か厳ついイメージの名前が付いているスズキ目アゴアマダイ科カエルアマダイ属のカエルアマダイさんですが実はとても臆病なお魚さんです・・・せっかく見つけたので近撮の写真を撮りたくてこっそり驚かさないように近づいて行ってもすぐに危険を察知してあっと言う間にシュッと穴の中に引っ込んでしまって出てきません・・・涙が出てきそうです・・・今回の様に穴からちょこんと頭だけ出して周りを伺っているそのかわいい表情が撮れると最高ですね・・・このカエルアマダイさんは口が非常に大きく海底の穴から頭だけ出して近くを通りかかった魚に襲い掛かりバクリと食べますから「お腹がもの凄くすいたんだけど!かぶりつけそうな小魚さんがそろそろ近く通らないかなあ?早く何か食べたいなあ!」とか「変な奴が近づいて襲ってこないかなあ?」とか考えているのでしょうか?・・・よくわかりませんが眼がクリクリしていて口は大きく愛嬌があってひょうきんなカエルアマダイさんです。
- カエルアマダイさんの頭は丸っこいので全体的に丸っこい身体のイメージを持ってしまいますが実は頭を除いて身体は長細く平べったくなっています・・・身体の割に大きな目は頭の前端に位置し両眼の間隔は狭く口にきわめて近いところにありますが別名ジョーフィッシュと呼ばれほとんど水平に口を開くことができその大きな口で獲物を捕らえることからジョーフィッシュと呼ばれるようになりました・・・まさにカエルのような顔をした臆病なカエルアマダイさんですが食べる時は凄いんですね・・・カエルアマダイさんは6cm程度の大きさで水深20メートルより浅いの砂礫の底に自分で垂直に穴を掘って住んでいますが砂礫は崩れやすいので頻繁に大きな口で砂利を咥えて巣穴をせっせと整えている働き者なのです・・・昼行性で夜寝る時は貝殻でうまい具合に穴の蓋をしていることもあり小さいのに賢いとうか神経質というかなかなかの曲者のカエルアマダイさんです。
- ジョーフィッシュさんはメスが卵を産むとオスが口内で飼育し稚魚がハッチアウトするまで大切に保護をするマウスブルーダーとして知られている健気なカエルアマダイさんですが口いっぱいに頬張った卵を大切に育てている姿を一度見てみたいものです・・・ジョーフィッシュさんは口をムッと結び時々首をギュッと伸ばしてあたりを伺いますがいつも穴の中に下半身を隠していますので尾鰭の後縁は丸く腹鰭は短く肛門には達していないことはわかりませんね・・・ジョーフィッシュさんは大きな口で砂利や石を咥えて頻繁に穴を整えるとても綺麗好きなお魚さんと言いましたが確かに自分の家は自分できれいに整理整頓していないといざ危険が迫った時に逃げ隠れできなくなってたいへんですもんね・・・生死がかかわってますからお掃除も念入りにしますよね・・・・・・下の写真のジョーフィッシュさんはちょっと警戒して穴に引っ込み気味になってしまいましたが驚かさないようにゆっくり近づき観察しましょう。
- パラオやケラマなどで見かけた表情が何ともたまらなく可愛いジョーフィッシュさんですが細かい種類まではよくわかりません・・・ジョーフィッシュさんは背鰭は長い一基のみで腹鰭は胸鰭より前方にありますが巣穴から顔だけ出して周りを警戒しているようです・・・ゲコ、ゲコ、ゲコ!!と正にカエルさんのようですが見れば見るほど可愛いやつです・・・アゴアマダイ科のお魚さんは温暖な海域で暮らしていて浅瀬から深海までの砂地や礫地に生息しています・・・大きな口で海底を掘り垂直の巣穴を作るのですが常に巣の中で顔だけを出して獲物である小魚さんなどが近くを通ると巣から出て捕食します・・・アゴアマダイ科のお魚さんは縄張り意識が強く近づくと攻撃してくるのですが警戒心が高く驚くとすぐに巣穴に戻ってしまいます。
- 下の写真のジョーフィッシュさんは左目にまぶたのような膜がありますがジョーフィッシュさんはみんなこんな感じなんでしょうか?・・・これが普通なんでしょうか?瞬きでもするのでしょうか?すみません!よくわかりません!・・・ジョーフィッシュさんは臆病な性格でいつも小さな穴からちょこっとだけ顔を出して周りをキョロキョロ観察していますので驚かせないように少しずつ少しずつ近づいていきましょう・・・今回はなんとか無事に正面から近撮することができました~万歳!・・・ジョーフィッシュさんはびっくりして穴の中に入ってしまうとなかなか出てきてくれませんので近づくときはいつもドキドキです・・・そーっとそーっと砂を巻き上げないように遠くから慎重に近づいていきジョーフィッシュさんの背後からゆっくり正面に回り込みます・・・この時が一番緊張する時で「お願いだから引っ込まないでね!」と念仏のように唱えながら撮影しています。
- 上の写真と下の写真はまた違う種類のジョーフィッシュさんです・・・顔がまだら模様になっていますし鼻のところに小さな皮弁が見えますね・・・目の形も雫ちゃんのような形の目ををしていて可愛いです・・・それにしてもこのジョーフィッシュさん微動だにせずじっと何かを見つめてます・・・何か気になる心配事でもあるのでしょうか?・・・このまま見つめるべきか?それとも穴の中に隠れた方が良いのか?このジョーフィッシュさん一生懸命悩んでいるようです・・・もしかして彼女のことを想って物思いにふけっているのでしょうか?・・・もう少し正面からの表情も撮ってみようと思いジョーフィッシュさんに気づかれないようにとゆっくりゆっくり前に回り込んでみましたが残念ながらこのジョーフィッシュさん危険を感じてさっと引っ込んでしまいました・・・さすがのジョーフィッシュさん暫く待ってみましたがやっぱり顔を出してくれませんでした・・・残念ながら正面からの表情は取れず自分のスキル不足を感じた次第です。
- 下の写真はまた違う種類のジョーフィッシュさんです・・・目の周りが白く縁どられているのでリングアイジョーフィッシュさんではないかと思います・・・目の周りの模様化からメガネアゴアマダイさんとも呼ばれ自分の口を使い砂やサンゴの欠片で上手に巣を作っています・・・このリングアイジョーフィッシュさん黒目の大きさが不自然なのでもしかしたらカラーコンタクトを着用しているのかもしれませんね?・・・そんなことは無いですね失礼いたしました!・・・正面からの写真を撮りたくまたいつもの様にゆっくりゆっくり驚かせないように回り込みを開始しましたが残念ながら正面に回る前にサッと穴の中に引っ込んでしまいました・・・なかなかの難敵ですが焦らず心を落ち着かせてジョーフィッシュさんの気持ちを考えながら次回は撮影できるようにこれからも精進いたします。
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