自分がベニオチョウチョウウオさんだって自覚してる? 2024 小笠原
- 小笠原の浅いサンゴ礁の周辺で見かけたのは全長は約13cm程度で白地の体側に「く」の字形の黒色帯が並んでいるスズキ目チョウチョウウオ科チョウチョウウオ属のベニオチョウチョウウオさんです・・・ベニオチョウチョウウオさんは体側の後部と尾鰭が青い海に映えた黄色になっていて仲良く2匹で泳いでいる姿が綺麗です・・・チョウチョウウオさん達は大抵ペアで仲良く泳いでいますが同じ方向を向いていることは稀でそれぞれが一生懸命食事をしているので一緒の枠で撮影するタイミングが難しいお魚さんでもあります・・・ベニオチョウチョウウオさんによく似ているアミメチョウチョウウオさんという方がいらっしゃいますがアミメチョウチョウウオさんは体側の模様が「く」の字形の黒色帯ではなく黒い格子状である事と目を通る黒帯の上に黒点がある事でベニオチョウチョウウオさんと区別できます。
- ベニオチョウチョウウオさんはおもに岩礁域やサンゴ礁を好んで暮らしておりそこらへんでツンツンしていますが場所を移動することはあまり好きでは無いようです・・・今回もサンゴのポリプを好んで食べている姿をよく見かけましたがベニオチョウチョウウオさんは警戒心が強いので撮影しようとするとすぐに反転して逃げてしまいます・・・今回は見かけませんでしたがベニオチョウチョウウオさんのおちびさんは体表には黒の「く」の字模様が5本程度ありますが目に白で縁どられた黒色帯があり体色は黄色からオレンジ色になっています・・・世界の暖かい海域でサンゴ礁のある浅瀬で暮らしているチョウチョウウオさん達は約130種以上おり日本近海でも53種が見つかっています・・・チョウチョウウオさんの名前の由来は蝶々の羽のように見えることから名付けられましたが別名バタフライフィッシュの名前で親しまれています。
- 派手な種類が多い海水魚の中でも際だって美しい種類が多いチョウチョウウオさん達の体は平べったくサンゴ礁の隙間に体を隠すことも出来ます・・・またチョウチョウウオ科の仔魚はトリクティス幼生と呼ばれ光沢のある色彩で模様がほとんどなく頭部の骨が大きく張り出して兜をかぶったような独特の体型をしています・・・トリクティス幼生達はサンゴのポリプの周りをゆっくりしたパターンで移動しながらプランクトンや小さな無脊椎動物を探して食べています・・・トリクティス幼生達は捕食者から身を守るためにサンゴの枝や岩の隙間に身を上手に隠しながら生き延びますが成長するにつれて兜の形状が変化し大きな頭は影も形もなくなり口が尖ったような形態に変化します・・・そして徐々に成熟した鮮やかな色と模様に変態して我々がよく見かけるチョウチョウウオの成魚となっていくのです。
変態は成長するための重要な過程
チョウチョウウオさんのトリクティス幼生以外にも
深海で孵化するウナギさんは
透明で葉っぱの様な体のレプトセファルスと呼ばれ
その後シラスウナギそしてウナギさんへと変態します
金平糖の様なトゲトゲ形のマンボウさんの仔魚や
目が左右についているヒラメさんやカレイさんの仔魚
何故彼らはこのような仔魚から変態するのでしょうか?
変態する事で異なる環境に適応し生存チャンスを高めます
変態する事で適切な摂食戦略ができるようになります
変態する事で生殖行動に必要な体や行動パターンを形成します
総じて変態は生存戦略や繁殖成功に不可欠な要素なのです
人間には無いすばらしい自然界の適応能力ですね
ベニオチョウチョウウオさんのトリクティス幼生見てみたい!
- ベニオチョウチョウウオさんの大きさは約13cm程度で体側に「く」の字形の黒色帯が並んでいて体側の後部と尾鰭が黄色くなっています・・・よく似たチョウチョウウオさんにアミメチョウチョウウオさんやレッドバックバタフライフィッシュさんなどがいます・・・アミメチョウチョウウオさんの体側の模様はベニオチョウチョウウオさんが「く」の字形の黒色帯が並んでいるのに対して黒い格子状になっています・・・またレッドバックバタフライフィッシュさんは目を通る模様がベニオチョウチョウウオさんは黒いのに対してオレンジであるという点と体側の後部からが赤色で尾もクリーム色地に赤色の横帯が通るところです・・・ベニオチョウチョウウオさんは雑食でサンゴさんのポリプや底生小動物や藻類などを食べて生きています・・・水深10-120mの岩礁域やサンゴ礁域で単独かペアで行動しています・・・チョウチョウウオさんは浅くて光が燦燦と降り注ぐようなところにだけいるのかと思っていましたが結構深いところまで進出しているんですね・・・ベニオチョウチョウウオさんはインド洋から中部太平洋にかけて広く分布し日本では奄美諸島や小笠原諸島以南で生活しています。
- チョウチョウウオさん達は世界中の暖かい海のサンゴ礁などに約130種以上が生息し日本近海でも53種が見られるそうです・・・木の葉のように丸くて薄い体型をしており鮮やかな色彩をもつものが多く英語ではバタフライフィッシュさんと呼ばれています・・・チョウチョウウオさんの名前の由来はご存知かと思いますがサンゴ礁の中をひらひらと泳ぐ様がお花畑をひらひらと飛ぶ蝶の姿に似ているためです・・・チョウチョウウオさんの仲間達は多くが尖った口を持ち扁平な体つきをしていて鮮やかな黄色など色彩の種類はたいへん豊富です・・・また多く種類の背中には黒い目玉模様(アイスポット)を持ち本当の目は帯状模様に隠されている種類がほとんどでこれは目の位置を錯誤させることで外敵から身を守るためと考えられています。
- チョウチョウウオさんの稚魚・幼魚のことはトリクティスと言われています・・・トリクティス期と言えばチョウチョウウオの稚魚時代のことでトリクティス幼生と言えばまだ1cm弱程度のチョウチョウウオの幼魚のことです・・・トリクティス期では成魚とは全く違う見た目をしており大きい頭と光沢のある色彩で模様がほとんどありません・・・大きい頭はこの時期特有のものでなぜこのような大きな頭になるのかはあまり分かっていません・・・また光沢のある色については浮遊生活をするにあたり波や流れ藻に紛れるためという説がありますが真実は不明です・・・頭は丸みを帯びて大きく模様もほとんどなく体表面はシルバーやゴールドに光り輝いているトリクティス幼生は全くチョウチョウウオさんとは思えません・・・大きさは1cmそこそこなのでまだ水中で見つけたことはありませんがトリクティス幼生がどのような可憐なチョウチョウウオに変身していくのか楽しみですよね。
便利な長い口のヘラヤガラさん! 2024 小笠原
- いつ見てもトゲウオ目ヘラヤガラ科ヘラヤガラ属のヘラヤガラさんは口を尖らせていますね・・・そこまで口を長く尖らせるなんてよっぽど文句が言いたい事があるんでしょうね?・・・それはさておきヘラヤガラさんは温暖な海のサンゴ礁や岩礁域で小魚や甲殻類を主に食べてのんびりと暮らしています・・・ヘラヤガラさんは他の中~大型魚類に寄り添って泳ぐ習性が知られていますがとてもフレンドリーで人づきあいがいいお魚さんなのかと思っていました・・・ところがヘラヤガラさんがなぜ中~大型魚類に寄り添っているのかというと実は獲物から自分の身を隠して近づき捕食するというずる賢い習性だったのです・・・いやあ意外ですね結構ダイバーにも親近感を持って近づいてくれるのでフレンドリーなお魚さんだと思っていました。
- それからヘラヤガラさんは斜め向きあるいは逆さまといった特異な姿勢のまま漂う姿がしばしば観察されていますがこれも一種の擬態ですし体色も個体差が大きく海藻などに擬態して変化させることもできるそうです・・・ヘラヤガラさんは中~大型魚類に寄り添って隠れたり泳ぎ方を工夫したり身体の色を変化させて擬態したりするなどなかなかの曲者ですね・・・ヘラヤガラさんの仲間は左右に平たく側扁した細長い体型で最大で全長80cmほどに成長します・・・ヘラヤガラさんの吻は筒状に伸び下顎の先端には肉質のヒゲが存在し肛門は腹鰭よりもかなり後方に位置していてるそうです・・・近縁のトゲウオ目ヤガラ科にはアカヤガラさんやアオヤガラさんやマダラヤガラさんがいますがヤガラ科のお魚さん達もヘラヤガラ科のお魚さんとよく似た細長い身体をしています・・・でもヤガラ科のお魚さん達は口ヒゲおよび背鰭棘条を持たないこと尾鰭が二又に分かれること肛門は腹鰭のすぐ後ろに位置するなどの形態学的差異によって鑑別できます。
ヘラヤガラさんは口を尖らせていますがどういう感情?
口を尖らせる時は何かに怒りや不満を感じた時
集中して考えている時か軽い挑発や冗談を言う時などです
中にはクールフェイスもいますが感情は表情を変えます
鼻に皺が寄る上唇が上がる眉が下がる時は嫌悪の感情
笑顔や目尻の皺や頬が上がる時は喜びの感情
眉間に皺が出る目が鋭くなる唇が引き締まる時は怒りの感情
口角が下がる目が潤む眉が下がる時は悲しみの感情
目が大きく開く口が開く眉が上がる時は驚きの感情
目が大きく開く口が横に引かれる眉が上がる時は恐れの感情
表情は心の現われ!観察することができれば面白いですね
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