仲睦まじいパイナップルウミウシさん! 2024 小笠原
- 小笠原のボニンブルーの海の中で2匹の綺麗なウミウシさんが何か愛を語り合っているようです・・・どちらがオス役でどちらがメス役なのでしょうか?・・・ご存じの通りウミウシさん達は雌雄同体の動物ですから常に雌雄両方の機能が存在しています・・・でも精巣と卵巣の両方を持っているわけでは無く両性生殖腺という一つの器官で精子と卵の両方を同時に作ります・・・自家受精はできませんからウミウシさんは配偶者相手に出会わないと繁殖はできないのです・・・だからウミウシさんはフェロモンの様な化学物質を這い跡に残して相手を引き寄せ交尾するのです・・・この2匹のパイナップルウミウシさん達は広い小笠原のボニンブルーの世界でお互い引き寄せられて偶然出会った仲なのです・・・これからの子育てについて語り合っているのでしょうか?・・・邪魔をしない様にそっと見守ってあげましょう
- 裸鰓目ツヅレウミウシ科モザイクウミウシ属のパイナップルウミウシさん達の身体の地色は半透明の白色で背面には先端が黄色から橙色の突起があり突起間の稜線部は黄色から橙色の線が入っています・・・この網目模様がパイナップルと呼ばれる所以ですが突起と稜線以外の部分にも橙色や黒褐色の線が入っていて触角と二次鰓は半透明の白色で黒褐色の斑紋が入っています・・・それにしてもこの2匹のパイナップルウミウシさん達は随分模様が違いますね・・・手前の方のパイナップルウミウシさんは黒い線が身体中にいっぱいありますが奥の方のパイナップルウミウシさんは背中にほとんど黒い線がありません・・・まさか違う種類のウミウシさんという事は無いですよね・・・お互いのフェロモンに導かれて出会った2匹ですから間違いは無いと思います!思いたいです!
ウミウシさんは貝殻を持っていません
何故進化の過程で貝殻を失ったのか?
鮮やかな色や模様で捕食者に毒がある事を警告できるから
浮遊能力を向上させる為に重い貝殻を捨てたから
貝殻を持たないことで藻類をより効率的に摂取できるから
貝殻を持たない選択をする事で生存戦略を最適化
失って初めて得られるものがある!
すべてを得ようとしても得られない!
ウミウシさんは賢い選択をしています
一仕事を終えたパイナップルウミウシさん! 2024 小笠原
- 岩壁に張り付いていたのはおそらく裸鰓目ツヅレウミウシ科モザイクウミウシ属のパイナップルウミウシさんではないでしょうか?・・・パイナップルウミウシさんの身体の地色は半透明の白色でバックの岩の色と相反してなんとも綺麗な色をしています・・・パイナップルウミウシさんの背面には先端が黄色から橙色の突起がいくつもあって突起と突起の間の稜線部には黄色から橙色の線が入っていて綺麗な網目模様になっています・・・この網目模様がパイナップルの網目に似ている事からパイナップルという名前が付いたのでしょうけど皆様は如何でしょうか?・・・私としてはちょっと違うような気がするのですが・・・パイナップルウミウシさんは突起と稜線以外の部分にもよく見ると橙色や黒褐色の線が細かく入っていますがその模様は個体差が激しいようです。
- それからパイナップルウミウシさんの触角と二次鰓は半透明の白色でふさふさしていて黒褐色の斑紋が入っています・・・この写真のパイナップルウミウシさんはそこまで大きくないですが中には100mmに達するものもいるそうです・・・ちなみに同じ属のモザイクウミウシさんも背面には網目状の隆起があり網目の接合部は鋭角的に盛り上がっています・・・モザイクウミウシさんは隆起線および外套膜周縁部は黄色でそれ以外の部分は茶褐色になり白色の細点が入っています・・・モザイクウミウシさんの白色の細点は外套膜周辺部に近いほど細かく密になり尾の正中線上には黒褐色の縦線が入り触角と二次鰓は白色で黒褐色の線状紋が縦に入っています・・・同じ属なので形はよく似ているようですがパイナップルウミウシさんの方が色的に綺麗に思えます。
- 下の写真ではパイナップルウミウシさんの卵が写っていますがどれだかわかりますでしょうか?・・・そうです!きくらげの様な青白いものがパイナップルウミウシさんの卵なのです・・・ウミウシさんの卵は海底に咲く花の様な卵塊になっていてこの中に数千もの卵が入っているそうです・・・ウミウシさんは種類によって産卵する時期や卵の形状が異なり渦巻状やきしめん状や紐状などの卵塊を産みます・・・ウミウシさんの卵は1週間から2週間ほどで孵化しますが孵化した幼生はベリンジャー幼生と呼ばれ浮遊生活を始めます・・・ベリンジャー幼生の時はウミウシさんの特徴である触角もありますが成体になると失われる巻貝の様な殻もあります・・・見たことないですがきっと可愛いんでしょうね。
名前が美味しそうなパイナップルウミウシさん
パイナップルは熱帯アメリカ原産の多年草
茎の先端に大きな果実を付けパインと略されることもあります
苗を植えて1年半から2年で収穫できます
パイナップルにはいろいろ種類があり
最も甘い品種で果汁が豊富なハニーグロウ
デルモンテが改良したデルモンテゴールドパイナップル
台湾産の台湾パイナップル
スウィーティオとも呼ばれるピーチパイン
甘くてジューシーな品種のスナックパイン
自分の好きなパイナップルはどれなのか?
食べ比べをして見つけたいものです
ハタタテダイさんとムレハタタテダイさんの違い? 2024 小笠原
- 背中の旗をたたんで急いで逃げようとしている2匹の可愛いお魚さんはスズキ目チョウチョウウオ科ハタタテダイ属のハタタテダイさんです・・・体長20cmほどに達するハタタテダイさんはサンゴ礁域や岩礁域や砂泥底域で暮らしていますが単独もしくは小さな群れでいるところをよく見かけます・・・ハタタテダイさんは背鰭が長く伸びていますがその事で他のチョウチョウウオ科のお魚さん達とは区別できます・・・ハタタテダイさんは頭部に眼を通る黒色帯があるのですがこの黒色帯は眼の下の方までは達してなくて途中で切れています・・・それから体側には背鰭から腹鰭までと背鰭から臀鰭までの2本の黒色帯があり背鰭軟条部および尾鰭は黄色くなっています。
- ハタタテダイさんはムレハタタテダイさんとたいへんよく似ていますが背鰭の棘の数がハタタテダイさんは11本でムレハタタテダイさんは12本となっています・・・でもダイビング中はもちろん写真にとっても数えられるようなものではありませんし捕まえて比較しないとわからないですよね・・・またハタタテダイさんの尾鰭の縁は尖っていますがムレハタタテダイさんは尾鰭の縁が丸くなっています・・・それから口から腹鰭にかけての輪郭がハタタテダイさんは直線であるのに対してムレハタタテダイさんは丸く張り出ているといった相違点があります・・・その他には臀鰭黒色域がハタタテダイさんは最長軟条にまで及ばないことなどで区別も可能です・・・それにしてもハタタテダイさんとムレハタタテダイさんは瓜二つですがそれもそのはずで以前は同一の種として扱われていたのです・・・名前からするとムレハタタテダイさんは群れを作ってハタタテダイさんは単独で見られそうに思えますがハタタテダイさんも群れをつくることがあります・・・ダイビング中に数匹で珊瑚礁や岩の周りにいたらハタタテダイさんで珊瑚礁外部に群れを作って中層を泳いでいたらムレハタタテダイさんと思っていた方が簡単なようです。
ハタタテダイさんとムレハタタテダイさんはちょっとの差
でもそのちょっとの差が大きな違いになるかも?
話は変わりますがちょっとの差についてよく言われるのが
小さな努力や小さな選択が将来に大きな影響を与えるという事
健康に関する選択で言えば毎日の運動や食生活の改善
キャリアに関する選択はスキルの習得や人脈を広げる努力
人間関係に関する選択は感謝の気持ちやコミュニケーション
金銭管理に関する選択は貯金の習慣や無駄遣いの見直し
これらの小さな選択が積み重なることで将来が大きく変わります
毎日勇気を持って良い方向への選択と努力を継続したいものです
ハタタテハゼさんはオスとメスどちらが根性ありますか?
- ハタタテハゼさんはクロユリハゼ科のお魚さんで体は細長くて側扁し第一背びれの前方は糸状に伸びていてこれが旗を立てる竿のように見えることからハタタテの名前が付けられています・・・確かに下の写真の2匹のハタタテハゼさんはペアで仲良くピント旗を立てていますね・・・尾びれの後縁は丸くなっていて体の色は体側はパープルホワイトで尻ビレ辺りから後半はオレンジ色~濃い赤色のようなグラデーションの色合いをしています・・・頭部は淡い黄色になっていて頬の辺りには小さなソバカスのような青色の斑がかわいく見られます。
- ハタタテハゼさんとお友達のシコンハタタテハゼさんやアケボノハゼさんがいますが形は似ていますが体の色の違いから見分けることができます・・・シコンハタタテハゼさんは和名にも紫紺と付いていて体全体が淡いパープルでとても美しく繊細な感じのお魚さんです・・・でも深場が大好きで個体数も少ないのでめったにお目にかかれません・・・パラオでお目にかかりましたがその美しさはまさに至高です・・・アケボノハゼさんはハタタテハゼさんの赤茶が紫系に置き換わった感じでこちらも水深20~30m以深の深場を好みサンゴ礁斜面の砂礫が混じった砂地やガレ場の低層で見られます。
- ハタタテハゼさんは比較的浅いサンゴ礁の砂礫底などで暮らしていますが中には深いところで暮らしている変わり者もいます・・・もしかしたら自分をシコンハタタテハゼさんだと勘違いしているのかもしれませんね・・・ハタタテハゼさんはサンゴ礁の砂礫底など隠れる穴のある所で仲良くペアで泳いでいることが多く寿命は5年程度と言われています・・・ハタタテハゼさんのオスとメスはどちらも同じような大きさで同じような色をしていますので見分けることは困難です・・・ペアで泳いでいる2匹のどちらかがオスでどちらかがメスなのですが敢えて見分けるとしたら先に逃げた方がオスで残っているほうがメスということです・・・ハタタテハゼさんはオスの方が臆病でメスの方が度胸があるということですかね。
ハナエニシキウミウシさんは小笠原の固有種ですか?
- ウミウシさんは主に浅い海の海底で暮らしていて体長は数mmの小さなものから30cm程度の大きなものまでいます・・・形態は種によって非常に変異に富んでいてまた色も青や赤や緑に黄色やピンクなど鮮やかなものから地味なものまで様々です・・・触角は2対から1対で分岐するものや全く欠くものもいます・・・基本的にはウミウシさんは貝殻を持っていませんが痕跡的な貝殻を持つものもいるのだそうです。
- ウミウシさんの食性は肉食から草食まで幅広くホヤやカイメンなどを餌にするものが多いのですが中には魚の卵や他のウミウシさんを襲って食べるものもいます・・・かわいいイメージのウミウシさんですが獰猛な種類もいるんですね・・・また有毒な付着生物を食べることで体内に毒を蓄積している種も多いようで派手な色合いをしているウミウシさんは毒を持っていますよという警戒色ではないかと考えられています・・・一方でサンゴ礁領域などでその派手な色が隠ぺい色としてはたらくのではないかとも言われています。
- そんなウミウシさん達ですがその中でもニシキウミウシさん達はそれぞれ個性豊かな模様がありカラーバリエーションも豊富なので見ていても楽しいウミウシさん達です・・・いや本当に同じニシキウミウシさんの仲間なのかなと思うぐらい様々な色模様をしています・・・そんなニシキウミウシさん達にもそれぞれ同じ特徴があります・・・よく目立つ背中の二次エラがありますがまるでフワフワの花のように広がっているのが特徴の一つです・・・でもうっかり触れると引っ込めてしまうので決して触らないように注意しましょう・・・それから背中のエラの後ろには1個の大きく反り返った突起があり体の中央付近に左右に張り出した1対の突起があるのもニシキウミウシさんの特徴です・・・どれほど模様が異なっていてもニシキウミウシさんには必ず背中と体側に3つの突起があります。
- ニシキウミウシさんは成長すると10cmを超えるものもいてウミウシさんの中では比較的大きな部類に入るのかな?・・・そんなニシキウミウシさんの仲間にハナエニシキウミウシさんという体の色は赤く外套膜周縁と腹足縁は紫色の線で縁取られているものがいます・・・ハナエニシキウミウシさんの体表面には小さな白色の細点がわずかに散布することがあり触角は体色と同じ色で先端部は紫色で二次鰓は白色になっています・・・このタイプの模様は絶海の小笠原諸島でしか見られず逆に小笠原では他のタイプのニシキウミウシさんはいないとい言います。
ハナグロチョウチョウウオさんとオウギチョウチョウウオさんの違いは?
- ハナグロチョウチョウウオさんは青白い体をしており複数のオレンジ色の斜線がありますが夜はオレンジ色の斜線が濃い色になるそうです・・・なぜ濃いオレンジ色になるのか?きっと何か意味があると思うのですがよくわかりません・・・ハナグロチョウチョウウオさんは鼻の辺りに黒い線があるのでこの名前が付いたようですがこんなにカラフルなチョウチョウウオさんなんだからもう少し可愛い名前でも良かったのではと思ってしまいます・・・頭部にはちょうど眼を通る黒色帯があり尾ビレにも黒色の横帯があります・・・体長は20cmくらいにまで成長しますがミドリイシ種のサンゴさんのポリプを専食するそうで結構好き嫌いが激しいようです・・・潮通しの良い浅い海のサンゴ礁で単独かペアで暮らしています。
- ハナグロチョウチョウウオさんによく似た仲間にオウギチョウチョウウオさんがいます・・・オウギチョウチョウウオさんも体長20cm程度とハナグロチョウチョウウオさんと同じくらいの大きさですが青白い体側に複数の黒い曲線が走っていて周縁部は黄色です・・・この2種は生態や分布域がよく似ていてサンゴさんのの粘液やポリプを主に食べるために浅いサンゴ礁に単独かペアで居付いています・・・つまりハナグロチョウチョウウオさんのオレンジ色の斜線の部分がオウギチョウチョウウオさんは黒色の斜線になっています・・・よく見ればオレンジのラインと黒いラインと明らかに違うのですが住んでいるところと形とラインがよく似ているので勘違いしてしまいますよね・・・下の写真のハナグロチョウチョウウオさんの後ろにタテジマキンチャクダイさんがいますね・・・どちらも派手ですが気が合うのでしょうか?
ハナヒゲウツボさんの異常に長いリボンのような全身を見たい!
- 普段見ているハナヒゲウツボさんはせいぜい20cm~30cm程度しか見えていませんが実はほとんどが穴の中に隠れていて最大で全長130cmにもなるのです・・・他のウツボさん達が寸胴で太くてたくましいイメージですがハナヒゲウツボさんはかなり細長く繊細な体型をしているのです・・・英名でリボンイールさんと呼ばれています・・・写真でしか見たことがありませんがハナヒゲウツボさんの全身はまさに鮮やかなブルーとイエローのヒラヒラしたリボンのようです・・・ハナヒゲウツボさんが巣穴から出て他の巣穴に移動する時には全身の姿を観察できるようですが私はまだお目にかかったことがありません・・・ハナヒゲウツボさん一度でいいから全身を見せてください。
- 片側に2つある鼻孔のうち前の鼻孔は管状に伸びていてさらに管の先端が見事にハナビラ状に開いています・・・下の写真の様に黄色い花びらのようなものがホワホワしていてハナヒゲウツボさんという和名になったのも納得です・・・また上下の顎に細い肉質突起がちょこっとあると思いますがちょび髭の様に見えませんんか?・・・ハナヒゲウツボさんは体の色が成長と共に変化することがよく知られていますが幼魚や未成熟魚の頃は体の色が真っ黒で背びれのところだけが淡い黄色~肌色をしています・・・遠くから見ると黒い棒の様なものが伸びてユラユラしているようにしか見えません・・・子供の頃はどうしてこんなに地味な色をしているのでしょうか・・・?
- あれだけ真っ黒だったのに成魚になるとこんなに体の色が鮮やかな青色に変化し鼻先から背びれが黄色く変身していきます・・・子供の頃と違ってかなりお洒落です・・・またハナヒゲウツボさんは雄性成熟の性転換を行うことが知られており鮮やかな青色の時は雄だそうです・・・さらに成長すると雌となり私も一度だけ見たことがありますが体の大部分がきれいな黄色となります・・・でもいろいろ説があるようで不明のところも多いようです・・・また腎臓と生殖巣が肛門より後方にあるそうですがこれは他の脊椎動物には見られない特徴だそうです・・・確かに肛門が内臓の一番後方の部分にないのは何か不思議ですよね。
- ハナヒゲウツボさんは水深50mほどまでの浅いサンゴ礁や岩礁に住んでいて砂底に掘った穴か岩の隙間を寝床にしていて顔だけを出してユラユラしています・・・通常は単独で生活していますがたまに同じ巣穴に2匹~3匹が同居することもあるようです・・・同居しているところを私はまだ見たことがありませんが・・・ハナヒゲウツボさんは肉食性でおもに小魚を捕食していますが餌を捕食する際や敵を威嚇する際には巣穴から半身を乗り出してきます・・・でもダイバーは怖いのか威嚇してくることはなく近づくと身体を引っ込め遠ざかると出てきます・・・かわいいハナヒゲウツボさんですが普段は全身を出した状態が観察されることはほとんどありません。
- ウツボさんというと歯が鋭くて獰猛でちょっと怖いイメージがありますよね・・・でもハナヒゲウツボさんは近くにいても全く怖いという感じはしません・・・いつも口を開けてアンアンアンアンしていますが鋭い牙は見えないからなのでしょうか?・・・でもよく見ると小さな歯はありますが・・・この色のおかげで怖くなくかわいく見えるのでしょうか?・・・もしあの獰猛そうなウツボの親分さんがハナヒゲウツボさんのように鮮やかなブルーと黄色の口だったら・・・想像したらちょっと不気味ですね!・・・やっぱりこのくらいのサイズだからかわいいんですね。
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