スズキ目ニザダイ科は81種からなっていますが多くの種が尾柄部に骨板または棘をもっています。テングハギ属、ナンヨウハギ属、クロハギ属、ニザダイ属などに分類されナンヨウハギさんやキイロハギさんやニジハギさんそしてヒレナガハギさんなど色形が美しいものが多く観賞魚として知られている種類が多いです。
優しい眼をしたキイロハギさんに癒されてみませんか?
- サンゴ礁の森で仲良く暮らしている目の覚めるような鮮やかな黄色の体と愛嬌のある可愛らしい顔を持つのはスズキ目ニザダイ科ヒレナガハギ属のキイロハギさんです・・・ニザダイ科のグループは約80種が知られていて美しい体色や模様を持つ種類が多くチョウチョウウオ科やスズメダイ科やベラ科と並んでサンゴ礁を華やかに彩る代表格のお魚さんです・・・下の写真は若者のキイロハギさんだと思うのですが口がカワハギさんの様にとんがっていてハギさんという名前がついていますがスズキ目に属していてよく知られているカワハギさんはフグ目に属しています・・・それにしてもこのキイロハギさんは優しそうな眼をしていますがよく言われる本当の優しさって何なのでしょうか?・・・それは思いやりや配慮があり一時的ではない行動だったり言葉だけでなく見返りを求めず誰に対しても公平で無償の行動?・・・では見かけの優しさとはいったい何でしょうか?・・・それは見返りや評価を期待したその場限りの行動で持続性がなく本心からではなく他人に良く見せるための表面的な対応にとどまる行動?

- ニザダイ科のお魚さん達は左右に平べったく側扁し高い体高と小さな口を特徴とするグループで熱帯・亜熱帯海域を中心に約80種が知られています・・・その中でもヒレナガハギ属は7種が知られており日本近海からはキイロハギさんの他にゴマハギさんとヒレナガハギさんの合わせて3種が報告されています・・・キイロハギさんの体長は通常15cm程度ですが中には20cmほどまで成長するものもいて体型は側扁していて体高は高く吻が独特な形で突き出しているのが特徴です・・・また背鰭と臀鰭も長く背鰭には棘があります・・・上の写真の方がわかりやすいと思いますがキイロハギさんの体色は各鰭も含めて一様に黄色で色が異なるのは尾柄部の可動棘がわずかに白くなっているぐらいです・・・でもほとんど目立ちませんので海の中では黄色一色と思って間違いないです。


- キイロハギさんは浅い海のサンゴ礁や岩礁で暮らしていておちびさん達は群れを作りますが大人になると単独か小さなグループで行動します・・・またキイロハギさんはおちびさんの頃は鰭の長さが体の割に長くなっていて上の写真の様に上下に長いひし形の様な姿をしています・・・まだ小さいながらこの頃からキイロハギさんは優しそうな眼をしていますがサンゴの森でかくれんぼでもしているのか楽しそうに泳ぎまわっています・・・キイロハギさんは鮮やかな黄色がとても特徴的なお魚さんですが小笠原諸島からは黄色がまだらで白色や黒色が混じった色彩をもつキイロハギさんの色彩異常が報告されているそうです・・・それにしても口がニューっとしていて文句を言いたげでなんともユニークなキイロハギさんですが中には褐色に近いものも見られ尾柄の側面には白い棘が綺麗な黄色の身体に一つのアクセントになっています。


- キイロハギさんの体の大きさはオスの方がメスよりも大きくなる傾向がありますから下の写真のキイロハギさんは前の方がオスですかね?・・・成長するにつれ単独や小さなグループで生活するようになりますが海のブルーにこんなに映えた綺麗な黄色でしかも小さなキイロハギのおちびさん達が群れを成してヨチヨチ泳いでいるのを想像するだけで幸せを感じます・・・それからキイロハギさんは主に藻類などの植物質をツンツンツンツンと食べていますが底生の小動物も食べます・・・ちなみにキイロハギさんと姿かたちが似ているゴマハギさんの顔は黄色っぽい明るい褐色をしており尾にかけて暗い色になっていき幼魚には縦縞が見られます・・・同じくヒレナガハギさんの体の色は白色で体側面に黒褐色の太い横帯が数本ありこの横帯の中には更に幅の狭い黄色や青色の横縞が多数見られ尾鰭は黄色く上下の縁が白くなっています・・・ヒレナガハギさんは普段鰭を立てずに泳いでいますが驚いた時や天敵を威嚇する時に大きく広げられます。

誰?イレズミニザさん?キンリンサザナミハギさん? 2024 小笠原
- ちょっとぼけてしまいましたが何故かドーンと存在感のある方が私の方に近づいてきました・・・「ねえねえ写真を撮って!」とでも言うように近づいてきたので撮影してみましたが一体あなたは誰なのでしょうか?・・・頭部は薄黄色の小さな斑点がたくさんあって目の周りが黄色く縁どられていてお口を尖らせています・・・のそーと近づいてきて「写真撮って~!」と言っている様に思ったのでカメラを向けるとサッと顔を背けて行ってしまうといういけずなお魚さんではあります・・・特徴からしておそらくスズキ目ニザダイ科クロハギ属のイレズミニザさんではないかと思いますが如何でしょうか?

- イレズミニザさんは体長が25cm程度で頭部には多数の橙色斑があり浅いサンゴ礁や岩礁で暮らしています・・・またイレズミニザさんは鰓の近くに暗色斑があり胸鰭には黄色斑があって尾鰭基部が白くなっているのが特徴です・・・このお魚さんにも頭部には多数の橙色斑がありますし鰓の近くに黒色斑のようなものがあります・・・また胸鰭も黄色いような気がしますが残念ながら尾鰭基部が白くありません・・・ちなみにイレズミニザさんは大きく成長すると前頭部が膨出するそうですがこのお魚さんはまだ前頭部は出ていないようです・・・おそらくイレズミニザさんだと思うのですが如何でしょうか?・・・もしかしてブルーの口に目に周りが黄色いのでスズキ目ニザダイ科サザナミハギ属のキンリンサザナミハギさんなのでしょうか?
一糸乱れぬ黒い軍団!あなたはスジクロハギさん? 2024 小笠原
- ちょっとボケた写真になってしまいましたが頭とお尻に白いラインが映える黒い軍団がやってきました・・・誰なのでしょうか?・・・姿形はニザダイさんの様ですがちょっと特徴的な色合いをしています・・・一糸乱れぬ群れを成してボニンブルーの海を気持ちよさそうにスイスイ泳いでいます・・・この方たちはおそらく主に藻類を食べて暮らしているスズキ目ニザダイ科クロハギ属のスジクロハギさんではないでしょうか?・・・スジクロハギさんの体長は25cm程度で体色は灰褐色で目の後ろに白と黒の横帯があり尾鰭の付け根に白色の横帯があるのが特徴です・・・スジクロハギさん浅くて波当たりの強いサンゴ礁や岩礁で単独あるいは複数匹で泳いでいますが今回はちょっと多めの群れです。

- 下の写真でボニンブルーの海を気持ちよく泳いでいるスジクロハギさんの軍団の奥をよ~く見ると遠くにお魚さんの群れがいる事がわかりますかね?・・・右手前にイスズミさんが居ますのでおそらくイスズミさんの群れではないかと思うのですが残念ながら覚えていません・・・イズスミさんと言えば釣りあげると糞をまき散らす習性があり「うんこたれ」とか「ババタレ」とも呼ばれる可哀そうなお魚さんです・・・イズスミさんは臭みが強いのですが南方では食料源とされており調理によって食べることは可能です・・・イズスミさんは夏は小動物を食べるため磯臭いのですが冬場は褐藻類を食べるため臭みは少なくなります・・・また場所によっては臭みが少ないものもいますが漁獲後なるべく早く内臓を取り除かないと臭みを軽減することはできません・・・栄養価はあるのですが磯臭さ血合いを除去して長時間水洗いなどしないと美味しくならないため商品価値の低いお魚さんです。

おすまし顔でかっこつけてるツノダシさん! 2024 小笠原
- ヒョヒョヒョヒョと泳いでやって来たのは長く伸びた背鰭が特徴で本種のみでツノダシ科ツノダシ属を形成するスズキ目ニザダイ亜目ツノダシ科ツノダシ属のツノダシさんではないですか・・・ツノダシさんは背鰭の第3棘が長くひも状に伸びていて体長は25cm程度にまで成長します・・・ツノダシさんって背鰭がこんなに長くて泳ぎにくくないんですかね?・・・いらないお世話ですね・・・ツノダシさんの身体は平たく体高が著しく高くひし形の様な姿をしており身体の色は白く尾部は黄色みがかっており黒く太い横縞が2本あります・・・口吻は文句でも言いたげに細長く伸びており付け根は黒く縁取られた黄色のワンポイントアクセントがあります・・・またツノダシさんの唇は黒色で口の中には多くの長い剛毛のような歯が生えています・・・唇が黒いと腹黒なイメージがしますし眼が正面のやや高い位置に並んでついており眼の上に一対の角状の突起があるのでツノダシさんの表情がちょっと意地悪でユニークなものになっています。

- それからスズキ目チョウチョウウオ科ハタタテダイ属のハタタテダイさんはツノダシさんによく似ていますが口吻の形や目の位置が違いますしツノダシさんは尾鰭が黒いことなどで区別ができます・・・ちなみにハタタテダイさんも全長が25cm程度でツノダシさんの様に長く伸びた背鰭の棘条が特徴になっています・・・ハタタテダイさんはごく稀にこの長く伸びた背鰭が2又に分かれた個体もいるそうです・・・一本でも邪魔そうなのに2本に分かれていたらハタタテダイさんもこんがらがってしまいませんかね?・・・ハタタテダイさんは白地の体に2本の太い黒色帯が走り背鰭の後半部・胸鰭・尾鰭は黄色です・・・パッと見でハタタテダイさんと区別するポイントは口の所にある黒枠黄色のワンポイントと尾鰭が黒いことが判別できればツノダシさんという事ですかね。

ヒレナガハギのおちびさん達は種類が違ってもみんな仲良し? 小笠原
- ヒレナガハギのおちびさんはスズキ目ニザダイ科ヒレナガハギ属に属し左右に平べったく側扁し高い体高と小さな口を特徴とし尾柄部に可動棘をもっていて世界の熱帯・亜熱帯海域を中心に約80種が暮らしています・・・日本ではヒレナガハギさんやキイロハギさんやゴマハギさんの3種が住んでいますがサンゴ礁の礁斜面や礁湖などの比較的浅いところでよく見られます・・・小笠原諸島父島のこの浅い場所は隠れるところがたくさんあっておちびさん達の格好の隠れ家になっているようです・・・おちびさん達は動きが速いので写真を撮ろうとしてもサッとサンゴの陰に隠れてしまいます。

- ヒレナガハギさんはその名の通り背ビレと尻ビレが非常に長いお魚さんで体長は30~40cmもあり普段はこのヒレは立てずに泳いでいます・・・でもヒレナガハギさんは驚いた時や天敵を威嚇する時にヒレを大きく広げます・・・と言うことはこのヒレナガハギのおちびさんは勇敢にも私を威嚇しているということですかね?・・・体の色は白色で体側面に黒褐色の太い横帯が6本ありこの横帯の中には更に幅の狭い黄色や青色の横縞が多数見られます・・・尾ビレは黄色くなり上下の縁が白くなっていますがヒレナガハギのおちびさんは全体的に黄色をしています・・・このヒレナガハギさんは中学生ぐらいですかね・・・下の写真の左下のキイロハギのおちびさん達もとぼけた顔で私の様子を伺っています。

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