ナガサキスズメダイさんの小さな頃の思い出はコバルトブルー!
- コバルトブルーの身体に額の縞模様と大きく明瞭な眼状斑それに透明な尾鰭がスズキ目スズメダイ科ソラスズメダイ属のナガサキスズメダイさんの幼魚の特徴なのですがサンゴをバックにとても綺麗だと思いませんか?・・・サンゴの森の中をチョコチョコチョコチョコと泳ぐ鮮やかなコバルトブルーの姿はダイバーの眼にとてもやさしくて癒されます・・・しかし成長するにつれて残念ながら青味が薄くなり黒っぽくなってきて幼魚の頃の可憐さはなくなってしまいます・・・大きくなっても幼魚の頃の可愛さを保ってくれると嬉しいのですがスズメダイさんにありがちな変身パターンで私的にはとても残念な変身に思えてなりません・・・下の写真のナガサキスズメダイの幼魚さんは幼い割に目がきりりと吊り上がっていて口もへの字に咬みしめてなかなか凛々しい感じもします。

- 前述しましたがナガサキスズメダイさんの大人はおちびさんと違って地味な黒っぽい体色をしていて特にオスは縄張り意識が強く縄張りの境界線でオス同士の威嚇や喧嘩などが起こることがあります・・・しかしナガサキスズメダイのおちびさんは大人と体の色が違う為なのかナガサキスズメダイさんのオスの縄張りに入っても攻撃されないのです・・・ナガサキスズメダイさんのオスは身体の色でライバルと判断しているのか身体の大きさで判断しているのか私にはわかりませんがナガサキスズメダイさんのオスは「こいつは俺様の敵ではない!」と判断しているのは間違いないようです・・・おちびさんも身体が大きくなって力が付くまで身体の色はコバルトブルーのままで眼状斑もそのままで敵意が無いことを示しているのかもしれません!・・・そしておちびさんに戦う力が付いたら衣装を変えて他のオスに宣戦布告をするようになりますがナガサキスズメダイさんってなかなか潔いですね。

- スズメダイさんにありがちな大人と子供の体色の違いパターンですが種類が多すぎて本当に上記のスズメダイさんがナガサキスズメダイさんの幼魚なのか確信が持てません・・・ナガサキスズメダイさんの幼魚の特徴である背鰭あたりにある大きな眼状斑は大人になるとなくなりますが大きな眼状斑で他のお魚さんを驚かさなくてもよくなるほど強くなるということですかね?・・・下の写真のナガサキスズメダイの幼魚さんは不審そうに一生懸命何かを見つめていますが視線の先には何があるのでしょうか?・・・自分の命を脅かすような敵でも出現しているのでしょうか?それとも迷惑なダイバーでもいるのでしょうか?・・・ナガサキスズメダイの幼魚さんの視線の方向からして私に対してではないようですがそれにしても不安そうな表情で真剣な顔でじっと見つめていますねえ・・・ナガサキスズメダイの幼魚さんも鰭をぴんと伸ばしていていつでも逃げ出せる態勢は整えているようです。

海の可憐なエステティシャン?ナデシコカクレエビさんの艶やかさ!
- アカホシカクレエビさんやニセアカホシカクレエビさんとよく似ていて区別に迷ってしまう同じテナガエビ科ホンカクレエビ属のナデシコカクレエビさんですがオーラが他のエビさんとはちょっと違うような気がします・・・雰囲気というかその佇まいというか色使いというか他のエビさんとは一線を画している様に感じます・・・大きな違いはアカホシカクレエビさんは両目が白色の線でつながっているのですがナデシコカクレエビさんは繋がっていません・・・ニセアカホシカクレエビさんの触角は白くありませんがナデシコカクレエビさんの触覚は白色ですのでここでも区別できます・・・ナデシコカクレエビさんは全体がピンク色で第3腹節の紫色の模様がはっきりしていています。

- ナデシコカクレエビさんの体長は2センチ程度と小さくハサミのところが紫と白のストライプになっておりよく見ると白いところは小さな小さな斑点になっています・・・ナデシコカクレエビさんは名前もお洒落ですが繊細なガラス細工のように透明でとても美しく可憐なエビさんです・・・ナデシコカクレエビさんはお魚さんの身体に付いた寄生虫などを食べるお掃除屋さんですがいつも身体を左右にヒョコヒョコヒョコと揺らしながらお魚さんに「お掃除してあげるよ~!私はエサじゃないよ~!!」とアピールしています・・・お魚さんたちにとってナデシコカクレエビさんのいるここは身体を綺麗にリフレッシュしてくれるまさにエステサロンのような所で様々なお魚さんたちが入れ替わりで立ち寄り身を任せにやってきます。

- ここでもナデシコカクレエビさんがフワフワした絨毯のような触手のイソギンチャクさんに守られながらのんびりと寛いでいます・・・他のお魚さんにとっては怖く見えるイソギンチャクさんでもエビさんにとっては優しくソフトなイソギンチャクさんなのです・・・まっすぐに伸びた白い触角が光っていますし透き通った身体に淡い紫色と白色の星のような小さな斑点がキラキラしていて繊細で可憐な印象を与えてくれます・・・まさに「ナデシコ」という名前にふさわしい可憐さを持っているナデシコカクレエビさんだと個人的には感じています・・・もう少しピントが合っていればナデシコカクレエビさんの美しさがもっと際立っていたと思うのですが申し訳ございません!・・・それにしてもこんなに小さなはさみで何をつかむのでしょうかねえ?
創造性と論理的思考が求められる迷路を作ったのはナポレオンさん?
- スズキ目ベラ科モチノウオ属のナポレオンさんがヌ~っと近づいてきてくれましたがナポレオンさんの体の模様って細かい筋がたくさんあってまるで難易度の高い迷路のようだと思いませんか?・・・迷路と言えばいくつかの種類があり目的地に到達するために唯一の正しい道を見つけるクラシック迷路や途中に分岐や袋小路が多く目的地までの道が複数存在する迷宮迷路や特定のルールや制限の中で解く必要がある論理パズル迷路などがあります・・・迷路は問題解決能力や忍耐力を鍛えるのにも役立ちますが迷路の歴史はとても古く文明の発展とともに進化してきました・・・最も有名な迷路は古代ギリシャのクレタ島にあった伝説の迷宮でミノタウロスがいたと言われダイダロスによって作られた迷宮です・・・それにしてもよくこんなに唐草模様の様な細かい作業をナポレオンさんは身体に施したものです・・・人間でいうとまるで指紋のような筋筋ですがナポレオンさんも個体によってそれぞれ特徴があって個体識別ができるとすればすごいですね!

- ナポレオンフィッシュさんの和名はメガネモチノウオさんですが大きく成長して張り出した前頭部がナポレオンの被っていた帽子に見えることからナポレオンフィッシュさんと呼ばれるようになりました・・・・メガネモチノウオさんという和名は目の後方から口にかけてある黒い帯状の模様がメガネを掛けているように見えることに由来しています・・・メガネモチノウオさんはベラ科最大のお魚さんで成熟したオスは2mを超えるものもいますが他のベラさんと同様に雌性先熟の性転換をするお魚さんです・・・メガネモチノウオさんの体色や体表の模様は成長段階や個体によって変異があり幼魚やメスは水色~黄白色の地に藍色などの模様が入って目を通る縦帯が黒く目立ちます・・・成長したオスは全体的に黄褐色~青緑色と色彩が鮮やかになに目を通る縦帯が薄れさらに額が瘤状に前へ突き出て頭部全体も大きくなります・・・またオスのナポレオンさんは前方にニューっと突き出た大きな口にぶ厚い唇で迫力を出して縄張り意識を持ち始めます。

- 話は変わりますがナポレオンさんって目ってクリクリしていて飛び出していてギョロ目のイメージがありましたがよく見るとナポレオンさんの眼って体の割に小さくないですかね?・・・今まで気が付きませんでしたが過去の写真も見返してみると意外と小さいんです!・・・ナポレオンさんに対して私は勝手なイメージを持っていましたが全然違ってかわいい眼をしています・・・それにナポレオンさんは結構人懐っこい表情をしていますし図体の大きさに反して可愛らしく何とも言えずユニークで憎めないお魚さんです・・・悠々と泳いでいる姿はなかなかの迫力ですが「近くが見えないよう!老眼だから仕方ないか?」って老眼鏡をかけているおじさんのようでもあります・・・ナポレオンフィッシュさんは浅い海の岩礁やサンゴ礁に住んでいてその明るい海を悠々と泳ぎまわっていますがパラオではブルーコーナーの縁あたりをウロウロしています。

- 性転換する習性を持っているナポレオンフィッシュさんは繁殖期に縄張りの中にいる最も大きいメスの個体がオスとなりますがもしもそのオスが死んでしまったら次に大きいメスがオスに性転換するそうです・・・ナポレオンフィッシュさん達は小さくて弱く縄張りが作れない時期にメスとして卵を産み強く大きくなったらオスとして縄張りを持ちハーレムを築いてその群れを守って子孫を次の世代へつないでいくナポレオンフィッシュさん達なのです・・・そんなナポレオンフィッシュさんですが実は高級食用魚として重宝されていてさしみや煮つけや塩焼きなど大変美味とされています・・・私もパラオでナポレオンフィッシュさんを食べさせていただきましたが唇のあたりがプルプルしていてとてもおいしかったです・・・ダイビングで見て親近感を持ったお魚さん達ですが釣られたお魚さんは美味しくいただくことが大切です・・・下の写真のナポレオンフィッシュさんは右目は後ろを左目は前を見て器用に辺りを観察しています。


身体にシミがついてます!ナンヨウカイワリさん 2024 小笠原
- ボニンブルーの海の中をダイビング中に上を見上げるとアジさんの群れがやってきました・・・最初は薄っすらと横縞があるのでクロヒラアジさんかと思ったのですがよく見るとどうも違うようです・・・クロヒラアジさんと姿形が非常によく似ていますが身体に黄色いシミが浮き出ているスズキ目アジ科ヨロイアジ属のナンヨウカイワリさん達です・・・実はナンヨウカイワリさんにはよく目立つ黄色の斑点があるのです・・・一方クロヒラアジさんも斑点は持っていますが目立たないため両種は簡単に識別できるのです・・・それにしてもこの黄色い斑点ってナンヨウカイワリさんには失礼な話ですがまるで老人斑のようだと思いませんか?

- ナンヨウカイワリさん比較的大型の種で最大で全長75cmに達した記録があるのだそうです・・・75cmというとかなりの大きさですよね・・・そんな群れがやってきたらと思うと興奮してしまいますよね!是非見てみたいものです・・・ナンヨウカイワリさんは側偏した楕円形の体型をしていて背側の輪郭が腹側の輪郭よりもややふくらんでいます・・・それからナンヨウカイワリさんの吻はわずかに丸みを帯びていて成魚では唇がかなり厚く両顎には幅の狭い絨毛状歯からなる歯列が存在します・・・下の写真の右側に上に写っているお魚さんはどうもナンヨウカイワリさんとは違う種類のようです・・・体形もちょっと違いますしギンガメアジさんですかね?

- ナンヨウカイワリさんは背部では白味がかった青緑色で腹部ではより銀白色を帯びます・・・ナンヨウカイワリさんの成魚では体側面中央部に比較的大きい楕円形で黄色から黄銅色の斑点がいくつか散在し10本程度の暗色で垂直の帯が頭部から尾柄部にかけて存在することがあります・・・ナンヨウカイワリさんの臀鰭や尾鰭は白味を帯びて鮮やかな青色または茶色がかった青色ですが他の鰭は白味を帯びた緑色あるいは無色透明です・・・下の写真は下から海面を見上げた物なのでお魚さんのシルエットしかわかりませんがこの群れにもちょっと違う種類のお魚さんが混じっているようですね・・・ナンヨウカイワリさんは主に小型のお魚さんや甲殻類を捕食していますが単独で行動したり小さな群れを作ることもあります。

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