各地のダイビングポイントで見たクマノミをまとめてみました。改めて見てみると、結構違いはあって、それぞれ特徴がありますよね。住んでいるイソギンチャクも、潜っているときは、なんとなく見ていましたが、種類が多くて再発見です。クマノミさんもイソギンチャクの好みが違うようです。
カクレクマノミさんがキンセンイシモチさんにドヤ顔!
- スズキ目スズメダイ科クマノミ属のカクレクマノミさんがイボハタゴイソギンチャクさんだと思うのですがイソギンチャクさんの触手の中で居心地よさそうです!・・・カクレクマノミさんは他のクマノミさん達に比べると細長い体つきをしていてちょっとスマートなのですが綺麗なオレンジ色の体に3本の白い帯がアクセントになっていて鰭の先は黒くなっているのが特徴です・・・幼魚の時の体長は2cmほどでイソギンチャクさんの周りをチョロチョロチョロチョロしていますが成長すると8cmほどになります・・・「イソギンチャクさんの毒にも負けない俺って凄いだろう!」とまわりで泳いでいるキンセンイシモチさん達に自慢しているようです・・・カクレクマノミさんの顔というか口元が特にドヤ顔していますよね!この顔は絶対威張ってますよね!

- カクレクマノミさんはイソギンチャクさんと共生関係にありますがご存じの通りイソギンチャクさんの触手には毒があり触れた生きものは麻痺してしまいイソギンチャクさんに食べられてしまいます・・・でもカクレクマノミさんは成長と共に体表から特殊な粘液を出せるようになるのでイソギンチャクさんの触手に触れても大丈夫なのです!・・・ただしカクレクマノミさんがこの粘液を分泌できるようになるには生後1週間ほど掛かるので生まれて間もないカクレクマノミさんがイソギンチャクさんに接触すると死んでしまうケースもあるそうです・・・またカクレクマノミさんはイソギンチャクさんに守ってもらうだけでなくイソギンチャクさんが食べ残したものをエサとして食べるというちゃっかり者でもあります・・・一方カクレクマノミさんはイソギンチャクさんの近くを泳ぐことで新鮮な海水を送りイソギンチャクさんを元気にしているのです・・・「守ってもらってるだけは無いんだよ!ちゃんと働いているんだから!」とカクレクマノミさんが話しています。

- 下の写真のカクレクマノミさんを見ていただくとお分かりになる通りもの凄くおなかがパンパンになって苦しそうにゆるゆると泳いでいます・・・お腹の中にたくさん卵を抱えているカクレクマノミのお母さんのようですが絨毯のようなほわほわのイソギンチャクさんの森の中で「何処で産んだらいいかしら?何処が一番赤ちゃん達が気持ちよく過ごせるかしら?それに安全かしら?」と卵を産む場所を探しているようです・・・もうすぐカクレクマノミさんのおチビちゃん達が生まれそうですね!・・・近くの海にいたセジロクマノミさんも子育て中でしたからまさに出産ラッシュですね・・・敵が近くにたくさんいるので子育ては大変だと思いますがお父さんカクレクマノミさんとイソギンチャクさんと協力して大切に育ててください・・・まずはお母さんカクレクマノミさん無事卵が産まれますように頑張れ~!応援してま~す!

- カクレクマノミさんの別名はクラウンアネモネフィッシュさんと言いますがカクレクマノミさんは鮮やかで綺麗なオレンジ色の身体に太めの白い帯がカラフルな可愛らしい特徴を持ったクマノミさんです・・・センジュイソギンチャクさんなどと一緒に仲良く暮らして怖い捕食者から大切に守ってもらっていますが下の写真のカクレクマノミさんの表情を見てください・・・ふかふかのイソギンチャクさんの絨毯の中で安心して寛いでいてとても気持ちよさそうです・・・センジュイソギンチャクさんは水深10m前後のサンゴ礁など岩礁に付着して生息するハタゴイソギンチャクさんの仲間で直径は50cm~80cmになり時に1mを超すものもありますが触手は細長い円筒形で先端まで太さが変わらず最後は丸く終わります・・・カクレクマノミさんやハナビラクマノミさんやセジロクマノミさんなどが共生しますがつぼみかけたセンジュイソギンチャクさんは体壁が壺のように丸くなり上方から触手の束が出ていてかわいいですよ。

- カクレクマノミさんも他のクマノミさんと同じように群れの中で1番大きい個体がメスになり2番目に大きい個体がオスに性転換しその他は繁殖能力を持たない未成熟個体に留まります・・・ そしてまた群れのメスが死んでしまうと2番目に大きい個体のオスがメスにその次に大きな未成熟個体がオスに性転換するのです・・・「あのメスが死んだら次は俺がメスにならないといけないんだ!いつでもメスになれるように今から準備しとかないと」っていう感じですかね・・・あまり遠出をせずイソギンチャクさんの周辺で暮らすクマノミさんにとって性別変化は子孫を残すための賢い変化で凄いことなのです・・・何故かというと最初から雄雌が決まっていたら小さなコロニーでは子孫を残すことが困難になってしまいますからね・・・かわいい顔をしてなかなか考えていますね。

- またイソギンチャクさんの毒に耐性がある理由はクマノミさんが身体から分泌している特殊な粘液にあるのですがイソギンチャクさんの触手にある刺胞という毒の棘が毒を発射するにはある条件があるからだそうです・・・その条件とは海水よりマグネシウム濃度が低いものに対してのみ発射するというものだそうです・・・つまりクマノミさんは自身が分泌する特殊な粘液で覆われていますがこの粘液が海水より高いマグネシウム濃度になっているからなのです・・・だからクマノミさんがイソギンチャクさんに触れてもイソギンチャクさんの毒に刺されることがないのです・・・すごい特技ですよね・・・カクレクマノミさんの鮮やかな橙色の地に黒く縁取られた白い3本帯のコントラストは都会的に洗練された美しさを感じます・・・ちなみにクラウンアネモネフィッシュさんのクラウンは王冠のクラウンではなく道化師Clownの意味だそうです・・・クラウンアネモネフィッシュさんは東の海域に分布することからイースタン・クラウン・アネモネフィッシュさんとも呼ばれていてカクレクマノミさんをウエスタン・クラウン・アネモネフィッシュさんと呼ぶ人もいます・・・またペルクラ・クラウンアネモネフィッシュさんは鮮やかな色をしていて虹彩は明るいオレンジ色をしているため目が小さく見えるのに対してカクレクマノミさんは虹彩は黒いので目が大きく見えます・・・この写真のクマノミさんはもしかしてぺルクラクラウンさん?

鋭い眼で睨みながら大事な卵を守るクマノミさん!

- 今年もいましたいました!小笠原の青い海に私を睨んでいる真っ黒なクマノミさんがいました・・・スズキ目スズメダイ科クマノミ属のクマノミさんは縦に太い白色のラインが特徴で背鰭付近は黒くお腹付近は黄色っぽいオレンジ色の発色をしていますが小笠原諸島で見られるクマノミさんは何故か写真の様に妙に黒っぽいのです・・・本当にいつも見るオレンジ色のクマノミさんと同じ種類のクマノミさんなのでしょうか?・・・もしかしたら新種のクマノミさんではないのでしょうか?・・・まあその話はさておき黒いクマノミさんの手前に赤いつぶつぶが見えると思いますがこれはクマノミさんの卵なんです・・・当然と言えば当然ですがクマノミさんの顔が怖いのは大事な卵を守っているからです・・・クマノミさんはイソギンチャクさんの触手を布団代わりにして気持ちよさそうにしていますがクマノミさんとイソギンチャクさんは共生関係にあります。

- ご存じの通りイソギンチャクさんの触手には毒があって触れた生きものはその毒で麻痺して動けなくなったところを食べられてしまいます・・・でもクマノミさんは毒に耐性があるのでイソギンチャクさんと一緒にいる事ができ外敵から守ってもらえるのです・・・逆にクマノミさんがイソギンチャクさんの近くを泳ぐことで新鮮な海水が送りこまれその新鮮な海水のおかげでイソギンチャクさんは元気に生きることができるのです・・・お互い役に立っているという事です・・・そんなクマノミさん達は約10種類のイソギンチャクさんと仲良く共生していますが好き嫌いはあるようでカクレクマノミさんはハタゴイソギンチャクさんかセンジュイソギンチャクさんが好きです・・・ハマクマノミさんは好き嫌いが特に激しくタマイタダキイソギンチャクさんとしか共生しないそうです・・・イソギンチャクさんの選り好みをしないクマノミさんは共生しているイソギンチャクさんの幅は広いのですがその中でもサンゴイソギンチャクさんとの組み合わせが一番の様です。

- 通常クマノミさんは下の写真の様な色なのですが丸くなっているイソギンチャクさんの触手の間からあどけない顔を覗かせ「なあに?あなたは誰ですか?僕に何か用ですか?」とでも言っている様です・・・イソギンチャクさんの触手がまるでシャボン玉のように見えて一層きれいに幻想的に見えますがこのクマノミさんはイソギンチャクさんの触手の大きさと比較してかなり小さなクマノミさんであることが分かります・・・ちょっとオレンジ系が強いようですがあどけないクリクリした透き通った眼で私を興味津々という感じで見ています・・・まだ世知辛い世の中に染まらず純真無垢な綺麗な眼で私を見つめるおちびさんの口が少し開いていますが何か私に話しかけたいことがあるのかな?

- イソギンチャクさんの差別も無く平和なクマノミさん達は昼行性でプランクトンや藻類を食べてイソギンチャクさん達と仲良く生活しているのですが性格はかなりきつく結構攻撃的なのです・・・クマノミさんを観察しているとクマノミさんから近づいてきて「誰の許可を得ているんだ!勝手に俺の縄張りに入るな!」とばかりにカジカジカジカジ噛みついて攻撃してくるのです・・・かわいい顔をしてこれが結構痛いのです!・・・クマノミさんはチョウチョウウオさんのようにイソギンチャクを食べるお魚さんからイソギンチャクさんを守ったり健気な一面もありますが弱ったお魚さんをイソギンチャクさんにおびき寄せたりもするしたたかさも併せ持っているのです。

- クマノミさん達は最大でオスは10cmくらいメスは15cmくらいまで成長しますが体はずんぐりして平べったい形をしていて胸鰭をパタパタさせながらイソギンチャクさんの森を幸せそうに仲良く泳いでいます・・・この幸せそうなクマノミさん達の家庭状況はちょっと変わっていて生まれた時はみんな仮のオスなのですが群れの中で一番大きいクマノミさんがメスに性転換し群れの中で2番めに大きいクマノミさんがオスになります・・・つまりクマノミさんの家族はたくさんいますがメスが一匹オスが一匹しかおらずこの2匹だけが繁殖行動を行い子どもを残していくのです・・・残りの3番目に大きいクマノミさん以降は群れの中で仮のオスのままでメスにもオスにもならず繁殖行動も行わずのんびりと暮らしています・・・この方がどこかのサル軍団の様に勢力爭いが起こらなくていいかもしれませんね。

- それからクマノミさんの体の色は地域変異があって通常は背側が黒く腹側が橙黄色で黒い部分は成長とともに拡大していきます・・・吻は橙から桃色で体には2本の白い横縞があり1本は眼の後方にもう1本は肛門の上にあります・・・背鰭は橙黄色で尾柄は白く尾鰭は三角形に近くオスは橙色ですがメスは白色になっています・・・でもこの写真の様に小笠原のクマノミさんはなぜか全身真っ黒なのでもしかしたら違う種類なのかもしれませんね?・・・下の写真のクマノミさんは眼を丸々とさせ口を半開きにして切羽詰まった様な表情が何とも言えず面白いですねえ・・・大きなサンゴイソギンチャクさんの触手の間から顔を出して「誰か助けてえ!イソギンチャクさんにつぶされる~!食べられる~!」とでも言ってふざけている様な表情に見えませんか?・・・この小さな可愛いクマノミさんですが正に千両役者ですね!!

- 実際このクマノミさんはイソギンチャクさんに襲われているのでもなく食べられそうになっているのでもなくサンゴイソギンチャクさんの触手で外敵から守られながらふわふわのお布団の中で快適に過ごしているだけなのです・・・それにしてもこのクマノミさん本当にダイバーに向かって「助けてえ!苦しいよう!」と叫んでいるような鬼気迫った表情がたまらなくいいですよね!・・・ふざけて楽しんでいるのでしょうがきっといたずらが大好きなユーモアのあるクマノミさんなのでしょう!・・・ちなみにクマノミさんのお子ちゃま達はこんなに黒くなく綺麗な橙黄色の身体に白い横縞を持ち群れの中でチョロチョロチョロチョロと動き回っている可憐なおちびさん達なのです・・・クマノミさんの身体の色は地域変異があり通常は背側が黒く腹側が橙黄色ですが黒い部分は成長とともに拡大していきます。

- クマノミさんは身体が特殊な粘液で覆われその粘液があるためにイソギンチャクさんの毒が効かないと言われていてこの特殊な粘液のおかげでイソギンチャクさんという強力な仲間を味方につけたクマノミさんってすごいです!・・・でもクマノミさんの赤ちゃんはその粘液がまだ無くイソギンチャクさんから離れて水面で漂って生活をしているのですが確かにそう言われれば上の写真のように小さな赤ちゃんは隠れるのが下手だったような気がします?・・・クマノミさんはイソギンチャクさんのまわりに数匹のグループで暮らしていますが卵の世話はパートナー以外のオスがするそうです・・・大切な子孫はみんなで守るクマノミさん達なのです。

- さまざまなイソギンチャクさんの触手に守られながら共生するクマノミさん達は日本に6種類の仲間たちが暮らしています・・・クマノミさん・ハマクマノミさん・ハナビラクマノミさん・セジロクマノミさん・カクレクマノミさん・トウアカクマノミさんの6種です・・・もしかしたらまだ発見されていないクマノミさんが何処かに住んでいるかもしれませんがそう思うとワクワクしてきます・・・このクマノミさん達はそれぞれの特徴を持っていますがその中でも最も普通に見られるのがこのクマノミさんで背中側が黒っぽくなっていてお腹側が橙黄色で明るく頭部と体側に白色横帯があることが特徴です・・・下の写真ではわかりませんがクマノミさんのオスとメスの違いは尾鰭が黄色くなっているものがオスで白っぽいものがメスとなります・・・このクマノミさんの頬の所をよくよく見てみるとほうれい線のような筋が入っています・・・子育てで疲れてしまったのか敵からの攻撃に心神耗弱してしまったのかわかりませんが顔にファンデーションを塗っているようですのでほうれい線を気にしているのかもしれません?

- クマノミさんは体に2本の白い鮮やかな横縞がありますが1本目の横縞は眼の後を通っていますがもう1本の横縞はちょうど肛門の上にあります・・・という事はクマノミさんの肛門の位置が何処にあるのか遠くからでも一目でわかってしまうという事です!・・・「肛門の位置がわかるなんて恥ずかしいじゃないの!何てことを言うの!」って下の写真のクマノミさんがイソギンチャクさんの森の中からこちらを睨んでいます・・・歯がギザギザで鋭い目つきで私を威嚇していますがクマノミさんに咬みつかれるととっても痛いのです・・・失礼な事を言いました!お願いだから咬みつかないでね!・・・クマノミさんはカラフルでかわいい海のアイドルさんなんですから!・・・なんて実際はそんなことクマノミさんは気にしてないですかね?

- 下の写真のクマノミさんもイソギンチャクさんに隠れながら何か私に言いたげです・・・『誰だよ~こんな所まで来て!せっかく寛いでいるのに邪魔すんなよな!俺たちの縄張りに勝手に入ってくるな!』とカラフルな顔をしてイソギンチャクさんの森から歯をむき出しにして怒っている様子がかわいいです・・・クマノミさんは子育ての時期には小さい子供たちと一緒に大所帯でせわしなく暮らしている様子が見られますが小さくてかわいいクマノミさんの赤ちゃんがピコピコピコピコと親のクマノミさんの近くをつかず離れずで動き回っている様子は微笑ましいです・・・でもクマノミさんはとても縄張り意識が強いので少しでも近づいて写真を撮ろうとするとツンツンツンツンかみついてきます・・・これがかなり痛くて写真を撮っているとそこにクマノミさんがいることに気づかず知らず知らずのうちに近づいていて何かがツンツンするなと思ったらクマノミさんだったということがよくあります。

- クマノミさんの子供たちは小さな身体にまだあどけなさが残る表情ですがいっちょ前に橙黄色の体に白い横縞をちらつかせながら仲良くチョコチョコ過ごしています・・・いずれこのかわいいクマノミさんも大きくなれば黒っぽくなって下の写真のクマノミさんの様に貫禄が出てくるのでしょう・・・結構目つきが鋭くて威圧的な感じを受けますが間違いなく私をにらんでいますよね・・・背中側の黒い部分がかなり大きくなっていますのでここらへんを束ねる大親分さんかもしれません・・・こちらをけん制しているようですが怖い怖い!!・・・「ふごっ」って鼻息荒く怒鳴り散らしている親父の様ですが咬みつかれたら結構痛いので触らぬ神に祟りなしです。


- 上のおちびさんの写真のイソギンチャクさんはジュズダマイソギンチャクさんですかね・・・クマノミさんとは相性が良いようです・・・上の親分さんの写真はシライトイソギンチャクさんだと思うのですが触手が長く全体が白いタイプのものやピンクと茶色を合わせもったものもいます・・・下の写真のイソギンチャクさんはチクビイソギンチャクさんだと思います・・・少し恥ずかしい名前ですがサンゴ礁の浅瀬の岩場や礫の多い場所に生息しています・・・体は平べったく一面に生えた触手は比較的短くてずんぐりしていて先端は紫色になっています・・・シライトイソギンチャクさんとチクビイソギンチャクさんは近縁種(ハタゴイソギンチャク科)のイソギンチャクさんです。

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