鰓のお掃除をしてもらってるタテジマキンチャクダイさん! ケラマ
- ちょっとわかりづらいですがスズキ目キンチャクダイ科サザナミヤッコ属のタテジマキンチャクダイさんの鰓に頭を突っ込んで掃除しているのはホンソメワケベラさんです・・・タテジマキンチャクダイさんが「最近さあ鰓の奥が痒くてしょうがなかったんだけどホンソメワケベラさん何かいる?」・・・鰓に頭を突っ込んで掃除しているホンソメワケベラさん「ああいますねえタテジマキンチャクダイさん!きれいにしておきますねツンツンツン」・・・タテジマキンチャクダイさん「ありがとうホンソメワケベラさん助かります~!まさに至高の時間だあ!幸せ!」・・・もう一匹のホンソメワケベラさん「ホンソメワケベラのお兄ちゃん頑張ってるなあ!僕も他のお魚さんのお掃除にいかなくっちゃ!誰にしようかなあ?」・・・こんな感じの会話ですかね。
- ご存じの通りタテジマキンチャクダイさんは幼魚から成魚へ成長するとき模様がガラリと変わります・・・幼魚のころは濃い青色の地に青白い渦巻状の模様でウズマキさんと呼ばれています・・・それからさらに成長にするにつれ黄色い地に青い縦縞模様に変化していきますがその途中過程をウズキンさんと呼び最後が写真のように派手派手な皇帝タテキンさんとなるのです・・・すごい変化ですよね・・・タテジマキンチャクダイさんは海綿やホヤなどを食べる雑食性で広い範囲に縄張りを持っています・・・タテジマキンチャクダイさんの成魚は縄張り意識が強く似た種類のキンチャクダイさんが侵入してきたら激しく追い払います・・・でも幼魚は模様を変えることで違う種類の魚として認識され攻撃されないようにしています・・・またタテジマキンチャクダイさんの幼魚は周りに成魚がいると身体が大きくなってもなかなか模様を変化させませんが近くに成魚がいないと小さくても成魚の模様に変化するそうです・・・面白いですね。
タテキンさんとホンソメさんはWinWinの関係
身体のメンテナンスに掃除は欠かせない作業
清潔を保つことは健康を維持するのに役立ちます
だからクリーナーフィッシュの存在は欠かせないのです
ホンソメさんにとってもクリーニングは大切な作業
体表面を掃除することで生きていく糧を得ているのです
つまりお腹が空かない様に一生懸命食べているという事
いわゆる共生関係ってやつで魅力的な関係なのです
タテキンさんにとっては定期的にスパに来ているということ?
お互い協力し合って生きていく
その大切さを教えてもらいました
タテジマキンチャクダイさんがスザクサラサエビさんを!(改)ケラマ
- サンゴの根や割れ目など狭いところを好むスズキ目キンチャクダイ科のタテジマキンチャクダイさんは最大40cm程度まで成長するかなり大きめのキンチャクダイさんです・・・タテジマキンチャクダイは幼魚と成魚とでは色彩や模様が全く違うまるで別種のようなお魚さんです・・・タテジマキンチャクダイさんの幼魚は濃紺の体に白い同心円状の模様が入っていて模様の入り方が渦巻のように見えるため「ウズマキ」と呼ばれています・・・また体側は渦巻き状ですが頭部では横縞になっていて背鰭縁は白く尾鰭は透明になっています・・・下の写真はスザクサラサエビさんにクリーニングをしてもらおうとしているタテジマキンチャクダイさんで決してスザクサラサエビさんを食べようとしているわけでは無いと思います。
- タテジマキンチャクダイさんの成魚は青地に多くの黄色いカラフルな縦縞が入っています・・・大人になると通称「タテキン」と呼ばれていて赤ちゃんの「ウズマキ」から模様が変わる途中のものを「ウズキン」と呼ばれるそうです・・・ヤッコの仲間達は自分の縄張りから配偶者以外の成魚を追い出す習性があるそうでそのためタテジマキンチャクダイさんの幼魚は成魚とは全然違った模様を持つのです・・・この事によりタテジマキンチャクダイさんの幼魚は縄張りの中に入っても攻撃されないそうです・・・幼魚と成魚とではまるで別種のように色彩や模様が違うのはそのためなんですね・・・またペア又は単独で行動するタテジマキンチャクダイさんには鰓の下に成魚・幼魚ともに鋭いとげがあります・・・写真でもわかる通りなかなか立派な鋭いとげですね・・・タテジマキンチャクダイさんはスザクサラサエビさんにクリーニングしてもらって気持ちいいのか虚ろな表情をしています・・・それにしてもカラフルなお魚さんです。
タテジマキンチャクダイさんは他を排斥する!パートナー以外は排除する!
もし自分が千載一遇のチャンスを逃す悔いを残したくないのであれば
自分に理があるとしても相手の言葉に耳を傾ける方が良い
ちょっと耳の痛い事であっても我慢して耳を傾けるのである
逆の立場であればまず相手の長所を賞める事から始める
それから徐々に相手の欠点を教えてやればよい
そうすれば相手も聞く耳を持つようになり幸せに繋がるかも
結果として自分も幸せになれるはずです
もしあなたが他人の失敗や不幸を望んでいるとしたら
あなた自身も失敗を招き不幸になる可能性が大きいのです
トサヤッコさんのメスが近くにいたはずなのに! 小笠原
- スズキ目キンチャクダイ科のトサヤッコさんはオスとメスでは見た目が全く違います・・・オスは下の写真の様に体側背部から中央付近にまで達する黒と白の横帯があって頭部から後方までのびる橙色~黄色のラインがあります・・・下顎から胸部にかけては若干青みがかかっていて腹部は淡色もしくはわずかに青みがかかっています・・・後ろ姿なのでよくわかりますが背鰭棘・軟条部や尾鰭に小さな橙色斑をもっていて結構メリハリのある派手な模様のトサヤッコさんです。
- 一方メスの体の色は背部が茶色味をおび腹部は淡色になっています・・・尾鰭上・下葉に黒色帯があり尾鰭基部付近に横帯があってオスとは違って若干地味な模様のトサヤッコさんです・・・鰓蓋中央部に淡色域があり前・後鰓蓋縁辺に黒色線をもっていてメスの個体をクマドリヤッコさんと呼んでいたようです・・・トサヤッコさんはメス⇒オスへと性転換するお魚さんとして知られており群れの中で一番大きな個体がオスになりハーレムを形成します・・・ということはこのオスの周りにはメスが群れていたということですね・・・見た目が違うので別種と思っていたのかもしれません・・・残念ながら全く気が付きませんでした。
ヒレナガヤッコさんのお嬢さんとキイロハギさん 2024 小笠原
- よく見るとチャイロヤッコさんの様な黒っぽい方もいらっしゃいますが目立っているのは黄色いスズキ目ニザダイ科ヒレナガハギ属のキイロハギさんと青いスズキ目キンチャクダイ科タテジマヤッコ属のヒレナガヤッコさんです・・・彼女たちは井戸端会議でもしているように見えますが・・・何の話題でしゃべっているのでしょうか?・・・旦那の悪口でしょうか?・・・ヒレナガヤッコさんは岩礁やサンゴ礁外縁の斜面の中層で見られ潮通しの良い場所を好むお魚さんなのですが生息水深は25m以深ということでやや深い所で暮らしています・・・でも小笠原ではそこまで深くなくても見れたような気がします・・・ヒレナガヤッコさんの体は楕円形で側扁していて頭部前縁は丸く口は小さくてやや上向きに開いています・・・ヒレナガヤッコさんのオスは身体の色は淡い青灰色で腹側は水色の地に黒色の縦帯が多数入っていて背側と腹側の境界後方には1本の黄色い縦帯があります・・・また尾鰭の上・下葉はよく伸びていますがメスの様に尾鰭両葉は黒色になってなく腹鰭は白色になっています。
- ヒレナガヤッコさんのメスの体側は写真の様に淡い青灰色一色で左右の眼にかけての頭頂部に黒色の斑が複数あり尾鰭両葉は黒色になっています・・・ヒレナガヤッコさんのメスも綺麗なブルーなのですがオスほど派手ではなくヒレナガヤッコさんのおちびさんもメスとほぼ同じ色彩で頭頂部の黒色斑がまだシンプルなのです・・・ヒレナガヤッコさんは動物プランクトンなどを食べ数匹程度のハレムをつくって生活していますが雌性先熟の性転換を行います・・・タテジマヤッコ属のお魚さんの特徴の一つなのですが群れの中のオスがいなくなったりすると体の大きいメスがオスへと性転換するのです・・・このような性転換をする群れの暮らしはハナダイさんの仲間やベラさんの仲間など他の魚でも見られます・・・先ほどヒレナガヤッコさん達が井戸端会議をしているのではと申し上げましたがもしかしたら次のオスを誰にするか会議をしていたのかもしれません・・・よく見たら確かに真剣な眼をしています。
ヒレナガヤッコさんが責任をもって大事な話をしています
責任とは自分が引き受けなければならない任務や義務のこと
自分の決定の結果に対して負う義務のこと
法律に基づいて負わされる不利益や制裁のこと
責任には法的法的責任と道義的責任があります
法的責任とは法律に基づいて課される責任
社会秩序や公共安全のために外部から強制されるもの
道徳的な責任とは内面的な価値観や行動規範に基づく責任
社会的倫理に従うもので内面的な価値観に基づくもの
そして責任は何らかの行為に対してだけに適用されるのではなく
行われるべきだったのに行われなかったことにも適用される
なかなか難しい話ですが全くの無責任にはなりたくないですね
びっくり顔のヒレナガヤッコさん 2024 小笠原
- キイロハギのおちびさんと仲良く同時にこちらの様子を伺っているのはスズキ目キンチャクダイ科タテジマヤッコ属のヒレナガヤッコさんです・・・ヒレナガヤッコさんは全長が15cm程度でオスは体色が鮮やかなブルーで腹部に数本の淡色と黒色の縦帯があります・・・遠くから見ていてもよく目立つゼブラ柄ですがキイロハギのおちびさんと違って心配そうな表情のヒレナガヤッコさんが可愛いです・・・ヒレナガヤッコさん!何もしませんから安心してください・・・それから体側後方の淡色部と青色部の境界付近に一本の黄色縦帯がありますが不明瞭なことも多く下の写真でもわずかにわかりますかね?・・・ヒレナガヤッコさんの尾鰭の上下葉はビヨーンと良く伸びていますがこれが名前の由来なのでしょうか?・・・背鰭の軟条部は上部が黒色で下部は青色で白色線によって隔てられていて腹鰭は白色で臀鰭にも淡色と黒色帯があります。
- ヒレナガヤッコさんのメスの体色も青色で頭部に眼を通る黒色帯がありますが腹部に淡色と黒色のゼブラ柄の縦帯がありません・・・下の写真の左上に居るのがオスのヒレナガヤッコさんですが右下のちょっとぼけて写っているのがメスのヒレナガヤッコさんです・・・ヒレナガヤッコさん達は動きが素早くなかなかじっとしてくれないのでピントを合わせるのが難しかったです・・・それにしても見た感じオスとメスでは全く違いますね・・・模様だけ見ていると同じヒレナガヤッコさんとは思えません・・・オスの方は明らかにゼブラがらなのでよく目立ちますがメスは頭の所に控え目な黒斑があるのと尾鰭の上下葉に黒色線があるだけなのでついつい見過ごしてしまいます・・・もう少しメスもお洒落に着飾ったらいいのにと思ってしまうのは私だけでしょうか?
ヒレナガヤッコさんのオスはゼブラ柄
ゼブラ柄とはシマウマさんの模様のことです
不均等な曲線が特徴で白地に黒い線が引かれています
2色並べたバイカラー配色も多くあります
落ち着いた雰囲気でシンプルで存在感のある柄です
ゼブラ柄は洗練された雰囲気を持っていますが
なぜシマウマさんはこのような柄になったのか?
それはまだまだ研究が必要の様です
自然って不思議なことがいっぱいですね
あ!見つかった!びっくり顔のレンテンヤッコさん 2024 小笠原
- こちらを向いてびっくり顔の可愛いお魚さんはスズキ目キンチャクダイ科アブラヤッコ属のレンテンヤッコさんではないでしょうか?・・・目を丸くして口をポカンと開いて「あ!見つかった!怖い!どうしよう?」という感じの表情をしています・・・「大丈夫です!何も危害を加えませんから!でも写真だけ撮らせてください」・・・レンテンヤッコさんの全長は最大20cm程度まで成長し日本で見られるアブラヤッコ属のお魚さんの中では最も大きくなります・・・この写真のレンテンヤッコさんはそこまで大きく成長してはいなかったですね・・・アブラヤッコ属の中にどんな種類のお魚さんがいるかというとアブラヤッコさんはもちろんですがコガネヤッコさんやアカハラヤッコさん等がいます・・・どのお魚さんも特徴的な綺麗な色をしています。
- レンテンヤッコさんの体色はオレンジ色で紫がかった青色の斑点があり尾鰭は黄色ですが斑点は尾に近いものほど大きくより紫色に近くなります・・・レンテンヤッコさんの幼魚は背鰭後部に青色の眼状斑がありますがこのレンテンヤッコさんにはもう眼状斑は無くなっていますね・・・レンテンヤッコさんのメスはオレンジ色が濃くオスは斑点の数がメスより多くなります・・・レンテンヤッコさんは雑食でサンゴのポリプや小型の甲殻類や藻類などを食べますがなんと他のお魚さんの糞まで食べるそうです・・・いくら何でも他のお魚さんの糞まで食べなくてもいいと思うのですが・・・まあ食の好みは人それぞれですから私がどうこう言う筋合いではないですね・・・レンテンヤッコさんは水深20~30mの岩礁域で暮らしていますが一夫多妻制で12 cm程度に成長すると1か月くらいかけてメスからオスへ性転換するそうです。
レンテンヤッコさんは糞まで食べる雑食性
確かに食の好みは人それぞれ
ではどのようにして食の好みが決まるのでしょうか?
身体が必要とする栄養素を含むものが美味しく感じる生理的要因
幼少期から慣れ親しんだ味を美味しく感じる習慣的要因
高価な食材や有名料理人の作を美味しいと感じる知識要因
場所や雰囲気そして共に食事する人の影響を受ける環境的要因
その他に腸内細菌の影響も可能性があるそうです
やっぱり細菌にも好みの食べ物があるんですね!
今私が美味しいと感じるものは何かな?
レンテンヤッコさん達の仲間は多すぎです! 小笠原
- アブラヤッコ属に属するヤッコさんはほとんどが全長10cmに満たない小型種ですがレンテンヤッコさんは体長20cmにも達するアブラヤッコ属の中では大型種になります・・・レンテンヤッコさんは水深20~30mの岩礁域で暮らしていて体の色は鮮やかな青~紫色で体側前半には青色斑が多数あり尾ビレは鮮やかな黄色をしています・・・レンテンヤッコさんは一夫多妻制で成長するとメスからオスへ性転換しますがメスはオレンジ色が濃くなりオスはより多くの青い斑点ができます・・・鮮やかな体色とタフな性格をしており雑食性でサンゴさんのポリプや小型甲殻類や藻類また他の魚の糞などを食べます・・・他のお魚さんの糞も食べるんですね・・・!
- キンチャクダイ科は8属91種で構成されアブラヤッコ属・キンチャクダイ属・サザナミヤッコ属・シテンヤッコ属・シマヤッコ属・タテジマヤッコ属・ニシキヤッコ属・Holacanthus属があります・・・こんなにたくさん仲間がいて種類も多くしかもよく似ているお魚さんが多いので「この子はだあれ?」ということがよくあります・・・いつも区別がつかずよく困っています・・・キンチャクダイ科のお魚さんは鮮やかで美しい体の色をもつ種類が多く一般には「ヤッコの仲間」として親しまれています。
- キンチャクダイ科のお魚さんはほとんどが水深20mより浅い海の岩礁やサンゴ礁の辺りで暮らしていて深い所にまで生活領域を広げている種類は稀です・・・どこにでも他の人とは違う場所で孤独を楽しんでいる孤高の存在はいますね・・・悪いことではないと思います・・・いつも右に倣えだと何かあった時に仲間が全滅しかねないですからね・・・これも生き抜いていくための知恵なのかもしれません。
- 体の色は成長段階によって著しく変化し稚魚と成魚ではまったく異なる色彩・斑紋を呈することがしばしばありそんな時は本当にあなた達は親子なのと疑いたくなります・・・親子だと知らされてびっくりすることが多々あります・・・また性別による体の色の差が大きい種類が多いのもキンチャクダイ科のお魚さん達です・・・そんなことはないと思いますが親子であることが分からないキンチャクダイさんの親子もいるのではないでしょうか?
- キンチャクダイ科の多くは雌性先熟型の雌雄同体ですべての個体が当初はメスとして成長しある程度大きくなるとオスに性転換します・・・1匹あるいは複数の大型のオスによってハーレムが形成されますが繁殖行動については詳細が明らかになっていない種類が多いそうです・・・キンチャクダイ科は著しく平べったい体型をもち一見してチョウチョウウオ科の仲間によく似ています・・・でもキンチャクダイ科には前鰓蓋骨にチョウチョウウオ類にはない強いトゲがありまたオスにはこのトゲが2対あります・・・またチョウチョウウオさんの仲間に見られる腹ビレの付け根のトゲや浮袋の突起をキンチャクダイ科はいずれも持っていません・・・キンチャクダイ科のお魚さんは連続した一つの背びれをもち多くの種類では背ビレ・臀ビレの中央から後方にかけての軟条が大きく発達していて後方に細長く突き出ることもあります。
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