スケルトンボディー!あなたはどっち?キンメさん?スカシさん?

- スズキ目ハタンポ科キンメモドキ属のキンメモドキさんだと思うのですが綺麗な黄色い口先に背骨まで見える透明の体で中には天邪鬼のキンメモドキさんもいますが同じ方向を向いて整然としています・・・キンメモドキさんは体長約6cm程度で体の割に眼と口が大きく胸部と肛門に発光腺があるのが特徴ですがこの写真のキンメモドキさんも確かに体の割に目が大きいですよね・・・夜行性のため昼間は岩陰やサンゴの下で隠れて群れを作っています・・・全身がオレンジっぽければキンメモドキさんだとわかりやすいのですがスケルトンボディだともしかしてスカシテンジクダイさん?と迷ってしまいます・・・透明っぽい群れでもキンメモドキさんの特徴は丸みを帯びた体で眼が大きく口の先端が黄色く尾柄部に黒点がありませんのでそこで区別できます・・・この写真のお魚さんの特徴にぴったりです。

- よく似たお魚さんでスカシテンジクダイさんという方がいますがキンメモドキさんと同じような場所で群れていますのでよく間違えます・・・スカシテンジクダイさんは無色透明に近い体に背鰭は2つで透明な三角形をしています・・・もちろん鰭を閉じていることも多くサイズが小さいので水中では見分けづらいのですがキンメモドキさんは背鰭が一つなので判別のポイントになります・・・またスカシテンジクダイさんは尾柄部に黒点があることが特徴ですが黒点がないまたは薄い場合もあるので群れ全体をよく見て判断するほうがいいようです・・・ここが迷うポイントですよね・・・スカシテンジクダイさんも黒点を付けるなら付けるではっきりしてくれると助かるのですがこれはまあ人間サイドの都合ですけどね・・・上の写真はどこを見てるのかな?という感じでしたが下の写真は口をへの字にして私の方を睨んでいるキンメモドキさんがたくさんいます・・・小さいのに眼力がすごいです。

- それからキンメモドキさんは胸部から腹部が淡く光ることができるのですがその発光メカニズムは餌であるウミホタルさんのもつ発光酵素を細胞内に取り込むことで発光しているそうです・・・キンメモドキさんは小さいのに凄い能力だと思いますが何故そのような力を身に着けたのか不思議ですよね?・・・キンメモドキさんにとって光ることで何かきっとメリットがあると思うのですがよくわかりません?・・・またキンメモドキさんは全体の統制がすごく取れていてザッザッザっと一糸乱れぬ姿で動くところは感動ものですがあれだけの数のキンメモドキさんを統率するリーダーがこの群れの中にいるのでしょうか?・・・もしいたとしたらそのキンメモドキさんは素晴らしいリーダー脂質を備えていると思いますし尊敬いたします。

- キンメモドキさんは基本オレンジ色に近い赤い体をしており夜行性で昼間はサンゴ礁の近くの周りで岩陰や穴の中に隠れていますが泳ぐ時は群れを成して大群になります・・・群れは統制が取れており遠くから見ると大きな魚が一匹いるのかと思うほど見事な一団となって泳いでいます・・・一方スカシテンジクダイさんは名前の通り透明な体をしていて骨まで見えるスケルトンボディをしていますが下の写真のお魚さんはスケルトンボディのようですが体が少し濁っているのでキンメモドキさんではないかと思います・・・如何でしょうか?

- それからもうひとつキンメモドキさんとスカシテンジクダイさんの違いに行動面での違いがあります・・・それはサンゴから離れるか?離れないか?ということです・・・キンメモドキさんのほうが臆病なのか慎重派なのかよくわかりませんがサンゴからあまり離れることはありません・・・でもスカシテンジクダイさんの方は冒険心が強いのか大胆なのかサンゴから少し離れたところで群れを作って泳いでいます・・・この写真の群れはちょっとわかりにくいかもしれませんがサンゴの近くで離れずごちゃっとして泳いでいますのでキンメモドキさんだと思います・・・クマザサハナムロさんも一緒に群れていてよく見ないと気づかないかもしれませんが岩の一部の様に岩にへばりついてごちゃっとしているのがキンメモドキさんの群れです。

- 下の写真はさらに小さなおちびさん達の群れですがサンゴから少し離れたところで群れています・・・その点ではスカシテンジクダイさんかもしれませんがスカシテンジクダイさんとキンメモドキさんは生息域が重なっており混ざり合って泳いでいる事が多くこの事だけではわからないですね・・・まだ統制が取れているのか取れていないのかよくわからない行動で岩から離れたり近づいたりしています・・・それにしても下から見上げていると光が反射して澄んだ青い海の色に映えた綺麗なおちびさん達の群れです・・・こんなに小さいのに誰に教えてもらったでもなく群れる事で敵から身を守る術を備えています・・・このおちびさん達も本能で生き延びていく知恵を持っているという事ですね。

- どちらなのか確認すべく近づいてみましたが如何でしょうか?・・・背鰭が2本あるものもいるような背鰭が1本しか無いものもいるような?・・・背鰭2本あれば間違いなくスカシテンジクダイさんなのですがやっぱり泳いでいる時はわかりにくいですね・・・でもこのお魚さん達には尾柄部に黒点がありませんが身体のスケルトンな感じなどからスカシテンジクダイさんの様な気がします・・・でも見れば見るほど「僕はスカシテンジクダイだよ」と言っているお魚さんがいたり「いやいや僕はキンメモドキだよ」と言っているお魚さんがいたりでこんがらがってしまいます・・・私の結論としてスカシテンジクダイさんとキンメモドキさんが混じって泳いでいるような気がします。

- さらに近づいてみましたがやっぱりよくわからないです・・・ど真ん中にいるお魚さんは背鰭が2本あるようなのでスカシテンジクダイさんのような気がしますがそのすぐ下はキンメモドキさんのようです・・・やっぱりいろいろ混じっているような気もします!・・・これだけ近づいてもよくわからないのは私の勉強不足だと思いますがお願いですからキンメモドキさんスカシテンジクダイさん違いをはっきり示してください!・・・こんなお願いをするのは私のエゴだという事はわかっているのですが「その通り!」と同意いただける方もたくさんいらっしゃると思います?・・・それにしてもあいまいな個体が多くスカシテンジクダイさんとキンメモドキさんを見分けるのはやっぱり難しいです・・・それでも海の中で見かけると可愛いくてついつい近づいて行ってしまいあなたはどっち?って悩んでしまいます。

- 目の前に居るキンメモドキさんにピントが合っているのでちょっと確認しづらいのですがホンソメワケベラさんが派手派手なユカタハタさんの頭の所を一生懸命クリーニングしています・・・ユカタハタさんも気持ちがいいのか「儂は満足なり!」とでも言いたげな表情をしているようです・・・もしかしてキンメモドキさんもクリーニングして欲しいのでしょうか?・・・でもキンメモドキさんは小さ過ぎてクリーニングは無理ですかね?・・・キンメモドキさんは海に漂う動物プランクトンを食べていて夜行性のため昼間は岩陰やサンゴの下で群れを作っていますが先頭の仲間に付いて丸い塊になったりしてまるで大きな魚の様に形を変えて泳いでいますので夜行性という感じではありません。

- 統制のとれた滑かな動きで群れは先頭の仲間に付いて行くため群れ全体がまるでひとつの生き物のように丸い塊や細長い形や時には大きな魚の形など様々に形を変える彼らですがスカシテンジクダイさんなのか?キンメモドキさんなのか?ちょっと見ただけでは判断は難しくいつもどちらなのか迷ってしまいます・・・私は老眼なのでダイビング中の肉眼では小さすぎてわからないのでいつも写真を撮った後に拡大して確認していますがそれでもやっぱり迷ってしまいます・・・近年の研究により発光する甲殻類「ウミホタル」を食べることで発光物質を獲得していることが明らかになったキンメモドキさんは腹側で発光することにより月明かりなどの海面から届く弱い光でできた自分の影を消し海底から敵に見上げられた時に見つかりにくくしていると考えられています。



誰?イレズミニザさん?キンリンサザナミハギさん? 2024 小笠原
- ちょっとぼけてしまいましたが何故かドーンと存在感のある方が私の方に近づいてきました・・・「ねえねえ写真を撮って!」とでも言うように近づいてきたので撮影してみましたが一体あなたは誰なのでしょうか?・・・頭部は薄黄色の小さな斑点がたくさんあって目の周りが黄色く縁どられていてお口を尖らせています・・・のそーと近づいてきて「写真撮って~!」と言っている様に思ったのでカメラを向けるとサッと顔を背けて行ってしまうといういけずなお魚さんではあります・・・特徴からしておそらくスズキ目ニザダイ科クロハギ属のイレズミニザさんではないかと思いますが如何でしょうか?

- イレズミニザさんは体長が25cm程度で頭部には多数の橙色斑があり浅いサンゴ礁や岩礁で暮らしています・・・またイレズミニザさんは鰓の近くに暗色斑があり胸鰭には黄色斑があって尾鰭基部が白くなっているのが特徴です・・・このお魚さんにも頭部には多数の橙色斑がありますし鰓の近くに黒色斑のようなものがあります・・・また胸鰭も黄色いような気がしますが残念ながら尾鰭基部が白くありません・・・ちなみにイレズミニザさんは大きく成長すると前頭部が膨出するそうですがこのお魚さんはまだ前頭部は出ていないようです・・・おそらくイレズミニザさんだと思うのですが如何でしょうか?・・・もしかしてブルーの口に目に周りが黄色いのでスズキ目ニザダイ科サザナミハギ属のキンリンサザナミハギさんなのでしょうか?
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