ハタさん達はマハタさん・バラハタさん・クエさん・タマカイさん・アカハタさん・ユカタハタさん・サラサハタさんなど16属約175種が知られる大きなグループです。熱帯から温帯の浅い海に広く分布しほとんどの種類は岩礁やサンゴ礁で暮らしていますが水深200m以深の深海にいる種類もいます。成魚の大きさは全長10cmそこそこの種類から全長2m を超える大型種まで様々で多くの種類が雌性先熟の性転換を行うので大きく成長した個体のほとんどはオスです。形態上の特徴としては口が大きくて下あごが上あごより前に突き出ること体に対する頭とひれの割合が大きいこと体の断面は下がふくらんだ楕円形であることなどが挙げられます。体の色は種類や成長段階によって非常に多彩で赤・橙・黄・青・灰色などの鮮やかな色が水玉模様や大小の斑点やしま模様など様々に配されています。
親分肌のアオノメハタさんがやって来る! 2024 小笠原
- 向こうからヌーボーと近づいてくるのはおそらく体格の良いスズキ目ハタ科ユカタハタ属のアオノメハタさんではないでしょうか?・・・アオノメハタさんの体は長い楕円形で側扁し尾鰭の後縁は丸くなっています・・・はっきりとはわかりませんがこの写真のハタさんの尾鰭も丸くなっているようです・・・そしてアオノメハタさんの眼隔域は少し隆起していて口はやや大きいのが特徴です・・・このハタさんの口の所はちょっと傷ついているようですが以前何処かで強力な何者かと戦った跡なのでしょうか?・・・この傷と言いがっちりとした体格と言いなかなかの貫禄を備えたアオノメハタさんではないでしょうか?・・・「これ以上俺様に近づいたらかぶりつくからな!」とでも言っているような鋭い目つきをしています。

- アオノメハタさんの体色は緑褐色で体側にはユカタハタさんの様な小さな青色小斑が多数散在しそれらは黒く縁どられています・・・アオノメハタさんの名前の由来は体側に散在するこの斑点が青い眼のようだからだそうです・・・またこの青色の斑点は各鰭にも見られ体側には白色横帯や黒褐色横帯が見られることもよくあります・・・アオノメハタさんの体長は40cm程度に達し水深40m位までの岩礁域やサンゴ礁で暮らしていますが多くは水深10m程度の浅所で見られます・・・アオノメハタさんは小魚や甲殻類やイカさんなどを食べていますが刺し網や釣りなどで獲られ煮付けや焼きものなどの食用に利用されています・・・でもアオノメハタさんはシガテラ毒の例も報告されているので注意致しましょう。
あれ?このアカハタさんどこかで喧嘩でもしてきたのでしょうか?
- こちらをじっと見ているのはスズキ目ハタ科アカハタ属に分類されるアカハタさんで体長は約30~40cmありハタ類の中では小型とされています・・・アカハタさんの様なハタさんはみんなドテッと大きくなるのかと思っていましたが意外とそうでもないんですね勉強不足でした・・・アカハタさんの体は側扁し他のハタ類同様に楕円形の丸みをおびた体形となっており口は大きく唇は厚めで下顎が上顎より前にグッと突き出ているので何故か愛嬌がありますね・・・体の色は赤褐色で体側には濃赤褐色の5~6本の横縞があって白い不規則な斑点が散らばっています・・・また岩礁の色が明るい海底に棲む個体は体色が薄いものが多いなどアカハタさんは住んでいる環境によってかなり個体差がありますが住んでいる環境に身体の色を合わせるのは獲物を狙う時に目立たず気づかれないようにするためなのでしょうか?

- この写真ではよくわかりませんがアカハタさんの背鰭の前半部及び棘条部の縁は褐色で尾鰭の後縁はウチワ状に丸くなっています・・・それからアカハタさんは昼間もよく泳ぎ回って活動的なのですが昼行性かどうかは解明されていないそうです・・・アカハタさんは魚やカニなどの甲殻類などを食べますが成長するに伴ってタコ・イカなどを好んで食るようになるなど人間と一緒で大人になると好みが変わるんですね!・・・このアカハタさん右側の鰓辺りや鼻の辺りが傷付いているようですが縄張り争いか?それともどこかでタコさんとでも戦ってきたのでしょうか?・・・また他のハタさんと同様にアカハタさんも雌雄同体で全ての個体はメスとして生まれ2~3年ほどで成熟しオスに性転換するそうです!・・・このアカハタさんはもうオスになったのでしょうか?・・・ちなみにアカハタさんに似ているアカハタモドキさんは背鰭棘条部の外縁は鮮やかな赤色で背鰭軟条部の後縁と尾鰭には黒色域がある点で見分けることができます。

- このアカハタさんはまだ身体が小さいようですので性転換する前のメスだと思うのですがそう考えると胸鰭や腹鰭の開き方などもちょこんと揃えてなんとなくですがおしとやかさを感じます・・・背鰭前半のギザギザの所の黒白もお洒落に決めていて唇はまだそんなに大きくも厚くもなくこのアカハタさんの表情に艶っぽさを感じます・・・ちなみに艶っぽさとはご存じの通り色気があり美しい様子でセクシーと違って品があります・・・艶っぽい人は余裕があり仕草が丁寧でしなやかさがあり上品で凛とした雰囲気が滲み出ています・・・このアカハタさんの「私綺麗でしょ?」っていうカメラ目線の表情もなかなかのものだと思いませんか?・・・アカハタさんは伊豆諸島北部では「アカギ」「アカゲ」伊豆諸島南部や小笠原地方では「アカバ」関西では「アカッベ」「アカッポ」沖縄では「ハンゴーミーバイ」など様々な地方名を持っています。

- アカハタさんをアップにすると歯は細かくて鋭いし目力もあってなかなかの迫力なのですが体の大きさに対して頭でっかちなので強面なのに何故かなんとも言えない愛嬌があります・・・このアカハタさんはアップにし過ぎてアカハタさんの特徴を確認できないくらいなのですが目も拡大すると複雑な構造をしているんですね・・・お魚さんが虫歯になって痛そうにしているところを見たことは無いのですがこんなに鋭い歯をしているアカハタさんって虫歯にならないのでしょうか?・・・手足のないお魚さんにとって歯は最も大切なものなので虫歯などで歯を失ってしまうと生命の危機に晒されてしまいますよね!・・・結論からいうとお魚さんは虫歯にならないそうでその理由はお魚さんは常に水の中で1日中うがいをしている状態だからだそうです・・・なるほどですね!・・・でも同じ水中生物の歯クジラさんには虫歯があることが知られていて詳しくは分かっていないのですが寿命が長いことが関係しているという説があります・・・虫歯は砂糖などを食べて歯のエナメル質がとけるために起こるので野生動物が食べるものには砂糖など入っていないため虫歯にはならないのです・・・でも野生動物でもうっかり石をかんだり獲物を襲う時に歯を傷つけたりした場合や年齢を重ねて歯がすり減ったりした場合にそこから虫歯になることもあるそうです・・・やっぱりクジラさんの虫歯は長い間生きているからですかね。
アズキハタさんだったんですね?ハタさんは種類が多すぎです!小笠原
- ユカタハタさんは大きな頭と下あごが突き出した大きな口が特徴でその唇はちょっと愛嬌があり親しみを感じてしまいます・・・さらに体中のひれが大きく発達していて背びれと尻びれが後方に大きく伸びていてうちわ型をした尾びれの付け根にまで達しているのも大きな特徴です・・・下の写真では上半身しか写ってないのでわからないですね・・・この3つのヒレでうまく水を捉えて急な加速をおこない大きな口で一瞬で獲物を捕らえるその姿はまさにスナイパーです・・・体の色は橙色~赤色で成魚の体側には小さな青色斑が散らばっています・・・体側に明瞭な横帯および縦帯の模様はありませんが海中ではたまに白色横帯を出したものが見られ環境によって体の色の変化は激しいようです・・・小さい頃は体の色がキンギョハナダイさんに似て明るいオレンジ色で斑点は無くとても可憐な感じです・・・・ユカタハタさんはメスからオスへと性転換しオスが複数のメスを従えてハーレムを形成します・・・オスは広い縄張りを持っていますがメスはそれよりも小さな縄張りをそれぞれ持っています・・・あれ?よく見たら青点じゃなくて赤点ですね!・・・ユカタハタさんだと思い込んでいました・・・このお魚さんはバラハタさんですか?

- バラハタさんはだいたい全長は60cmほどですがなかには全長80cmほどにも成長する大型個体もいます・・・胸びれ・背びれ・尻びれ・尾びれの後端が黄色で各ひれの後端と尾びれの上下の端が長く伸びるので他のハタ類と区別ができます・・・成魚の体色は和名のとおり鮮やかな朱色で全身に赤色の小さな斑点がありますが地色が朱色ではなく褐色の個体もいます・・・幼魚は白・緑・ピンクなどさまざまな色をしていてベラさんに似ていますが目から尾びれの上まで太い黒色の帯があることは共通しています・・・成長するにしたがって黒い帯が消え全身が赤や褐色に変化していきます・・・でもこの写真のハタさんと特徴が違いますね!・・・この写真のハタさんはアズキハタさんですか?・・・アズキハタさんはインド洋や太平洋などに分布していて国内では琉球列島や小笠原諸島などの南日本で暮らしています・・・体形は長い楕円形で側扁していますがマハタさんに比べると頭部は低くて細長くなっています・・・口は大きく上顎の後縁は眼の後縁をかなり超えていて体の色は褐色を帯びていて名前のように体全体にはアズキ色の暗色の斑が密生し淡色の縦帯が見られます・・・この写真のお魚さんはアズキハタさんのようですね。

- ハタさんの仲間にはマハタ・バラハタ・クエ・タマカイ・アカハタ・サラサハタなど16属約175種もあります・・・熱帯から温帯の浅い海に広く暮らしていてほとんどの種類は岩礁やサンゴ礁にいますが水深200m以深の深海にいるものもいます・・・成魚の大きさは全長10cmそこそこの種類から全長2mを超える大型種まで様々で多くの種類が雌性先熟の性転換を行うので大きく成長した個体のほとんどはオスと言えます・・・形態上の特徴としては口が大きくて下あごが上あごより前に突き出ることと体に対する頭とひれの割合が大きいこと体の断面は下がふくらんだ楕円形であることなどが挙げられます・・・体の色は種類や成長段階によって非常に多彩で赤・橙・黄・青・灰色などがあり水玉模様・大小の斑点やしま模様など様々です・・・ハタさん達は単独で生活しほとんどの種類は海底近くをあまり離れずに生活していますが中にはバラハタさんのように底から離れて泳ぐものもいます・・・基本的には小魚を主食とするが大型の軟体動物(タコ、イカなど)を捕食することもあります。
オオモンハタさんは目の周りまでお洒落してる!(改)ケラマ
- オオモンハタさんの頭は他のハタさんより少しほっそりとスマートなスタイルでひれや体には黄褐色から褐色の円い斑点が密に分布しています・・・淡色のお洒落な網目模様が美しいオオモンハタさんですが色や模様に個体差があるので他のハタさんとの区別が結構難しいです・・・この写真ではわかりませんがオオモンハタさんの尾びれの先は白いふち取りになっています・・・ここがオオモンハタさんによく似たホウセキハタさんと見分ける大きなポイントになっています・・・ホウセキハタさんの身体の色は全体的に赤~茶褐色の見た目をしており茶褐色の斑点が体全体に密に並び網目模様になっています・・・尾ビレが丸く白く縁取られないものはホウセキハタさんであることが多いようです・・・またオオモンハタさんは尾びれが湾入していますがホウセキハタさんの尾びれは丸くなっているのも違いです・・・この写真では尾びれが見えないのでもしかしたらホウセキハタさんだったりして?

- 実はオオモンハタさんの幼魚には縞模様があってかわいいのですが身体の円斑は成長とともに相対的に小さくなって数が増えるので見た目が大きく変わってきます・・・子供の頃はシマシマ模様に大きな斑点の服を着てるだなんて子供っぽくていいですね・・・オオモンハタさんは最大で50センチ・2kgほどまで成長しますが標準サイズは35センチ〜40センチで1kg前後の小型のハタさんです・・・大きな口に分厚い唇なのですが眼の周りにも小さな斑点模様を施したつぶらな瞳がアンバランスでかわいいオオモンハタさんです・・・オオモンハタさんの名前はそっくりのホウセキハタさんと区別するためにつけられた呼び名でオオモンハタさんの網目状の斑紋がホウセキハタさんの斑紋より大きかったので大紋ハタさんになったそうです・・・上の写真のハタさんは身体の斑紋が大きめなのでやっぱりオオモンハタさんですかね。
カンモンハタさん砂掛けてごめんなさい! ケラマ
- サンゴのベットに横たわっているのはスズキ目ハタ科アカハタ属のカンモンハタさんだと思うのですが大きくて分厚い唇で鼻を広げてこちらをじろりと睨んでいます・・・随分怖い眼でカンモンハタさんが睨んでいますよね・・・ダイバーの何方かが巻き上げた砂が舞ってしまって体にパラパラとかかったカンモンハタさんが「何をするんだよ!砂が身体にかかったじゃないか!せっかくのんびりと寛いでいたのに!どうしてくれるんだ!」って怒っています・・・すみませんカンモンハタさん砂を舞い上げたのは私じゃないんですけど砂が身体についたら気持ち悪いですよね・・・その気持ちよくわかります・・・ダイバーを代表して謝罪いたします・・・ごめんなさい怒らないでえ。

- 少しづつ移動していったカンモンハタさんですが「まあ砂ぐらい大したことはないからいいけどなあ!これからは気を付けろよ」って下の写真では胸鰭をしっかりと砂地につけてカンモンハタさんが許してくれているようです・・・さすがカンモンハタさんですね心の広さと貫禄を感じます・・・それにしてもカンモンハタさんの視線の先がちょっと気になるのですが何か獲物でも見つけたのでしょうか?・・・カンモンハタさんも「身体に砂がかかったことなんかどうでもいい!それよりお腹が空いたんだ!」とでも言いたげです・・・今にもバクっと襲い掛かりそうなカンモンハタさんですがスナイパーの鋭い眼になっていますね。

- 下の写真のカンモンハタさんは姿勢を低くして正に臨戦態勢です・・・食べられるお魚さんには申し訳ないのですが弱肉強食の自然界ですから仕方ないですよね・・・お腹が空いたカンモンハタさんがうまく食事にありつけることを期待しています・・・カンモンハタさんは体や鰭に濃い褐色の多角形の斑紋が無数にあり網目模様になっているのが特徴ですがいくつか斑紋がつながっているところがあります・・・普段はサンゴや岩陰に潜んでいて小魚さんや甲殻類などを好んで食べますがカンモンハタさんはエサを発見すると瞬時に襲いかかります・・・ちなみにカンモンハタさんの産卵期は5~6月頃でサンゴ礁域を離れ外洋へ出て産卵することが知られています。

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