後ろに不気味な影が迫る!恐怖に駆られるキンギョハナダイさん?
- スズキ目ハナダイ科ナガハナダイ属のキンギョハナダイさんだと思うのですが輝くケラマブルーの中サンゴの明るい赤をバックに黄色い身体が映えて美しいですね・・・キンギョハナダイさんの体は側扁した楕円形ですが雌は最大7cm程度で体色は鮮やかな赤橙色となっており目の下に紫色の縦帯が入っています・・・雄は最大15cm程度と大きく体色は赤紫色で胸鰭に赤い斑点があり尾鰭の上下と背鰭の第3棘が糸状に伸びていて背鰭と臀鰭の縁は暗色となっています・・・ハナダイギンポさんもキンギョハナダイさんと体色が似ていますがこれは擬態していると考えられています・・・下の写真のキンギョハナダイさんはまだまだあどけなさが残るおちびさんで背鰭も臀鰭もか弱そうで泳ぎもこれからという感じですがメスのキンギョハナダイさんですかね?・・・何か悲しい事でもあったのか目の周りもピンク色になっていて泣き疲れた子供のようですがこれから群れの中で一人前になるためにきっと決意を固めたキンギョハナダイさんだと思います。

- ご存じの通りキンギョハナダイさんは性転換するお魚さんで最初は全て雌として生まれて途中で雄に性転換するユニークなお魚さんです・・・キンギョハナダイさんは雄が死ぬか群れから離れると力のある雌がホルモン的にも身体的にも変化して新しい雄となりますがこの変化は数週間から数ヶ月で起こります・・・雄は雌を5~10匹引き連れてハーレムを形成しますが雄は色が蛍光ピンクのようになりますので見分けやすいと思います・・・ちなみにキンギョハナダイさんの雌は赤みを帯びた黄色です・・・それからよく似たケラマハナダイさんの雄は背鰭の中央あたりに赤い斑点があるのが特徴で雌はすこし地味ですが尾鰭後端の上下に赤い斑点があるのが特徴です・・・下の写真のお魚さんは背鰭に赤い斑点があるように見えますがやっぱりキンギョハナダイさんですかね?

- 潮通しの良いところに集まるキンギョハナダイさんの群れは名前の通りキンギョさんのように色鮮やかで華やかさを感じますがそんな群れの中でどのキンギョハナダイさんがオスなのか実際は潜っている時はなかなかわかりません・・・オスとメスの違いをまとめると①オスになるにつれて黄色っぽい色から赤紫色になってきます②背鰭が糸状に伸びてきます③胸鰭に赤いまだら模様が出てきます・・・キンギョハナダイさんのオスは色といい背鰭の長さといい派手さがありますが性転換した後「私オスに変わったのよ!よろしくね!」とメスに対してのアピールなのでしょうか?・・・それからメスが全部オスに性転換して大きくなれるわけではなくメスの5~10匹の中から1匹程度がオスになりハーレムを形成するようですがどうやってその1匹がオスに選ばれるのでしょうか?・・・群れの中で力の強いメスが選ばれるのか?それとも政治的判断なのか?・・・群れの中で一番大きなメスがオスに性転換するそうですが面白いですよね。

- 上の写真のキンギョハナダイさんは身体が綺麗な黄色をしていて小さいのでおそらくメスだと思いますが何か不安を感じ恐怖におののいているようにも見えませんか?・・・よ~く見るとピントが合っていなくて暗くてボケていますが後ろに何やら蠢いていますね!・・・実はキンメモドキさんの大群がウジャウジャと背後から迫ってきていてこちらを見ているのがわかりますでしょうか?・・・キンギョハナダイさんも「キンメモドキさんの大群に飲み込まれてしまう!どうしよう?タ・ス・ケ・テ!」と叫んでいるようです・・・恐怖は自分の力を越えたものに怯え不安に思う気持ちですが恐怖は生き抜くための戦略の一部でもあります・・・恐怖を乗り越えることで自己成長でき恐怖の感情を受け入れることで冷静に対処できるようにもなります・・・そして新しい経験や挑戦は自分の限界を広げ自信に繋がりますし知識を深め理解を深めることで恐怖は軽減できるようにもなります・・・何はともあれ恐怖に対して勇気を持って挑戦してみれば意外となんでもなかったりするものです。

- キンギョハナダイさんは岩礁・サンゴ礁の付近を泳いでいて流れて来る動物プランクトンを食べますので特定の場所からあまり離れないのが特徴です・・・そんなキンギョハナダイさんと一緒にいるのはサラサエビ科サラサエビ属のヤイトサラサエビさんです・・・ヤイトサラサエビさんはサンゴ礁や岩礁の礁斜面などで暮らしていて身体の色はやや暗い赤褐色で帯状模様が複雑に交差をしていますが第3腹節の背面に暗褐色の斑点がありその周囲は白点が囲んでいます・・・このヤイトサラサエビさんの斑点が同属他種との明確な判別ポイントになりますがヤイトサラサエビさんのヤイトは腹節の頂点にある斑点が灸に似ていることから由来しています・・・今では懐かしい思い出ですが私も昔悪いことをした時親から灸をすえられて痛かったことを思い出します・・・ヤイトサラサエビさんは別に悪い事をしたわけでは無いでしょうが最近はお灸も見なくなりましたね!

コメント