優雅に泳ぐハナミノカサゴさんとその仲間達の違いは何処?
- スズキ目フサカサゴ科ミノカサゴ属のミノカサゴさん達はよく似ていていつも迷ってしまいますので今回は違いを確認してみました・・・まずはハナミノカサゴさんですが岩礁やサンゴ礁を好み胸鰭軟条が14~15本という点で他のミノカサゴさんと見分けることができますがダイビング中にいちいち数を数えないですよね・・・ハナミノカサゴさんの体の色は赤褐色で背鰭・臀鰭・尾鰭の軟条に細かい暗色斑があって下顎の裏にも模様があり側線部には白い鱗を点線状に有しています・・・それから体長は25cm~30cm程度で目の上と口の下の肉厚の触手のようなものがあり扇子のような胸鰭をしていて背鰭・尻鰭の先端の棘の部分に毒があり毒の種類は混合毒で刺されると激しい痛みを伴い患部は赤く腫れ上がりめまいや発熱・頭痛・吐気・呼吸困難などを引き起こしてしまいます・・・この毒は外敵だけでなくミノカサゴさんの仲間に対しても毒性を発揮するそうで同じ仲間だと耐性がありそうですがそうでもないんですね。

- 次に開けた砂地を好むミノカサゴさんですがハナミノカサゴさんと違って尾鰭にはっきりとした斑紋がなく鱗が1枚ずつはっきりと目立ちます・・・またミノカサゴさんは下顎の腹面にハナミノカサゴさんの様な茶色の縞模様が無く胸鰭軟条が12~13本という点でもハナミノカサゴさんと見分けることができます・・・その他にもよく似たネッタイミノカサゴさんやキリンミノカサゴさんがいますがネッタイミノカサゴさんは胸鰭の膜が先端まで伸びてなくて青や黒の斑紋があり胸鰭の軟条は白色または赤色で眼上の皮弁は長く縞模様があります・・・ネッタイミノカサゴさんは胸鰭の膜に斑紋がないキミオコゼさんに似ていますがキミオコゼさんとネッタイミノカサゴさんの違いはネッタイミノカサゴさんの吻端に3本の皮弁があり眼上の皮弁が横縞模様になっていて背鰭・臀鰭・尾鰭の軟条に小暗褐色斑と胸鰭基部の鰭膜に黒斑があることです・・・またネッタイミノカサゴさんは胸鰭の軟条が赤系統の縞模様となるミズヒキミノカサゴさんにもよく似ていますがミズヒキミノカサゴさんとの違いは胸鰭の軟条に縞模様があるかどうかでネッタイミノカサゴさんは白または赤の単色なのに対しミズヒキミノカサゴさんは赤~褐色の縞模様があります。

- またキリンミノカサゴさんは胸鰭の膜に切れ込みがなく尾の付け根にT字状の模様があり眼上の皮弁は長く吻端にも3本の皮弁があります・・・キリンミノカサゴさんは団扇のような胸鰭のためミノカサゴさんやハナミノカサゴさんやネッタイミノカサゴさんと見間違えることはありませんが幼魚のうちは切れ込みがあるので注意が必要です・・・キリンミノカサゴさんの体色は淡い褐色や赤みを帯びたような淡灰色などで体にはミノカサゴさんのように暗色の横縞ありますがこの横縞はミノカサゴさんよりもずっと太く8本程度で暗褐色の太い横帯と細い横帯が交互に並んでいてその内の一本は眼のところを通っています・・・キリンミノさんの毒はミノカサゴさんの中ではもっとも強力なのでうっかり触れたりしないように注意しましょう。

- ハナミノカサゴさんは肉食性で主に甲殻類や小魚を食べますが夜行性であるため日中は岩の物陰や隙間にこっそり隠れていて日没後に「よっしゃ!ワシの時間や!」と泳ぎだします・・・泳ぐ際に鰭をゆっくり動かす以外にはほとんど身動きはせずに海底をホワーンホワーンと優雅に泳いでいますがまるでクラゲの様に身を任せてのんびりのんびり漂っています・・・そのハナミノカサゴさんの姿は「世間の世知辛いことはワシには関係ない」とでも言っているようで「ワシはワシや!ワシのしたいように生きていく」と達観しているようです・・・でもハナミノカサゴさんの凄いところは捕食態勢に入ると身体の色を変化させて周囲の藻や珊瑚に紛れることができることです・・・私は見たことは無くと言うか気づかなかっただけかもしれませんが身体の色を変化させることができるなんてまるで忍者みたいですね・・・そんな凄いハナミノカサゴさんですが獲物に気づかれないようにそっと接近したかと思うと大きな口を開いて一気に吸い込むように捕食します・・・普段のゆったりした動きからは信じられないような早業ですが立派な顎鬚の様な顎の突起を持ち仙人の様に我が道を行くハナミノカサゴさんです。


- 下の写真のこの華憐なフワフワ衣装のカサゴさんはまだ大人というほど大きくなく特徴が曖昧ですが尾鰭には暗色斑がかすかにありますし胸鰭軟条も14本あるので?おそらくハナミノカサゴさんではないかと思います・・・ハナミノカサゴさんはインド洋東部から西太平洋にかけて広い範囲で暮らしていて日本では駿河湾以南の岩礁やサンゴ礁域に住んでいます・・・それにしてもこのハナミノカサゴさんは見事に長く優雅な鰭をしていてシャナリシャナリと静かに進んでいきますが多分人間で言うと中学生ぐらいの年齢ですかね?・・・ミノカサゴさんを見分けるにはまだまだ勉強が必要な私ですが例え子供のハナミノカサゴさんであっても毒を持っていますので刺されない様に近づく時は最大の注意を怠らないようにしましょう。

- 長い背棘を持っているハナミノカサゴさんですが背鰭・尻鰭の先端の棘の部分に毒があり毒を注入して敵は餌を襲うこともあるそうです・・・毒を注入して襲うって艶やでおしとやかそうな振りをしてハナミノカサゴさんって本当に怖いですね気を付けましょう・・・ハナミノカサゴさんによる死亡事故は報告されていませんが刺されると激しい痛みを伴い患部が赤く腫れ上がって大変なことになります・・・毒の成分はタンパク質性であることは分かっていますが物質的に不安定なこともあり毒物単体での分離・同定はできていないそうです・・・刺された人の話を聞くと刺された瞬間はスタンガンで激しい電気的ショックを受けたような感じだそうです・・・スタンガンを受けたことも無いのでよくわかりませんがかなりのショックのようですね・・・下の写真のハナミノカサゴさんは鰭の黒色斑はちょっと薄いようですが顎の下には縞模様があるようですし体の褐色の縞模様の中に白い鱗は目立っていないのでハナミノカサゴさんですかね?



- ハナミノカサゴさんの体形は楕円形で側扁しており大きな鰭が特徴的で成魚は最大30cmほどに達しますがご存じの通りハナミノカサゴさん達は鰭が長いので身体の大きさの割に結構大きく見えます・・・ハナミノカサゴさんは水深約50mまでの比較的浅い岩礁帯で特に何故か砂底が混ざる場所が好みの様ですがもしかしたらハナミノカサゴさんは砂遊びが好きなのでしょうか?・・・ハナミノカサゴさんの繁殖は日没直前の海面の近くで行われ求愛後にメスは粘り気のあるゼラチン質を分泌して直径2〜5 cm球体に形成してからその中に産卵します・・・その後にオスが精子を放出して受精させるそうですが球体一つあたりの卵の数は2000~15000個で数日間海を漂ってゼラチン質が溶けてなくなった頃に稚魚が孵ります・・・お子ちゃまがワーッといっせいに泳ぎだすんですかね?・・・見て見たいものです。


- 群れは作らず単独で優雅にゆらゆらと生活しているハナミノカサゴさんですが大きな背鰭や胸鰭が蓑のようであることから「蓑笠子」と言われるようになったそうです・・・確かに長い鰭が蓑の様だと言われれば蓑に見えないことは無いですが毒の棘のイメージがあるのでちょっと違和感があるのは私だけでしょうか?・・・もしハナミノカサゴさんに刺されたら折れた棘が刺さったままでないか確認してその場合はピンセットなどで取り除き患部を圧迫して毒を絞り出しましょう・・・それから熱湯を用意して45℃位まで冷ました後30~60分ほど患部をお湯に浸けて患部を加熱しましょう・・・ハナミノカサゴさんの毒はタンパク質なので熱に弱くちょっと熱いかもしれませんが我慢して患部を加熱しその後は様子見をせず必ず病院で手当てしてもらうように致しましょう。




バブルコーラルシュリンプさんはまるで華奢で神秘的で水墨画のよう!
- テナガエビ科イソカクレエビ属のバブルコーラルシュリンプさんはミズタマサンゴさんに共生しているエビさんなのですが今回はミズタマサンゴの近くではありますがミズタマサンゴさんから少し離れた場所にいました・・・嫌がるバブルコーラルシュリンプさんを誰かが無理やり連れてきてしまったのか?それとも意を決して冒険に出てきたのか?よくわかりませんがバブルコーラルシュリンプさんの華奢な身体が震えている様です・・・バブルコーラルシュリンプさんの身体は透明ではさみ脚や歩脚や触角など赤紫色または青紫色の細線で縁取られているのでまるで赤紫色や青紫色のラインだけのエビのように見えます・・・それからバブルコーラルシュリンプさんは腹部の背中に1本と眼柄にも数本の明るい赤褐色の細線があるのが特徴です・・・よ~く見ると体はもちろんハサミ脚も確認できしっかりとしたエビさんの体をしていて決して線のような華奢なエビさんではありません・・・とは言ってもバブルコーラルシュリンプさんは小さくて線の細いエビさんであることには変わりありません。

- それにしてもこんなに華奢なエビさんなのにミズタマサンゴさんから離れてしまって大丈夫なのでしょうか?・・・バブルコーラルシュリンプさんがお魚さんに食べられないか心配なのでお願いだから早くミズタマサンゴさんのところへ戻ってしっかり隠れてください!・・・ちなみにミズタマサンゴさんはポヨポヨしていますが実はハードコーラルで日本では奄美大島以南に生育しており水深5~10mの礁斜面や水路斜面でみられます・・・ミズタマサンゴさんの群体は岩にへばりつくような形で暮らしていて直径20㎝以上の大型群体はほとんど見られませんが表面は嚢胞と呼ばれる部分で覆われこの部分が球状になるためミズタマサンゴという和名がついたそうです・・・ミズタマサンゴさんのカラーパターンはグリーンやブラウンやホワイトで少ないですがキャッツアイと呼ばれる猫の黒目に似た模様がバブルに入るタイプもあるそうです。

- それからこのエビさんの和名はなく英名のバブルコーラルシュリンプさんという愛称で呼ばれていて学名ではウィル・フィリピンエンシスさんとされています・・・よく見るとその赤紫色または青紫色の細線に肉付きされていて見た目ほど細くはないバブルコーラルシュリンプさんですが遠目ではとても繊細で神秘的な姿をしたエビさんです・・・ミズタマサンゴさんを探すと高い確率でバブルコーラルシュリンプさんに遭遇することができますがとても小さいので老眼の私には見つけるのはなかなか苦労します・・・それにバブルコーラルシュリンプさんはあまり動き回らないエビさんですが深追いするとミズタマサンゴさんの奥に隠れてしまいますので注意しましょう・・・バブルコーラルシュリンプさんのこの繊細で小さな身体を見ているとまるで蚊がとまっているように私は見えます!

- バブルコーラルシュリンプさんはミズタマサンゴさんから出る粘液などを食べて暮らしているので餌に困ることもなくミズタマサンゴさんを安住の地としています・・・常に食事を与えてくれるってよっぽど居心地がいいんでしょうけどたまにはバブルコーラルシュリンプさんも他の物も食べてみたいと思ったりしないのでしょうか?・・・ちなみにバブルコーラルさんは泡のような器官を海水で大きく膨らませていてそこからスイーパー触手を伸ばし他のサンゴを攻撃する性質を持っているそうです・・・スイーパー触手は10cm以上伸ばすことができるそうでポヨポヨとしていて見た目がおとなしそうなバブルコーラルさんですが結構やんちゃなサンゴさんなんですね・・・バブルコーラルシュリンプさんはミズタマサンゴさんの大きさからもわかるようにとても小さくて神秘的な雰囲気を持ったエビさんですがまるで水墨画のような可憐なエビさんでミズタマサンゴさんを安住の地として密かに懸命に生きています。
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