いつも笑顔のイシガキカエルウオさん!笑顔をありがとう!
スズキ目イソギンポ科ニラミギンポ属のイシガキカエルウオさんがこちらを向いていつものように微笑みかけてくれていますがさすがスマイリーブレニーさんと呼ばれるだけありますねこの笑顔に癒されます・・・緑色のホヤがあちらこちらに生えている岩の上で体をわざわざこちら側に向けてイシガキカエルウオさんが左の胸鰭で手を振ってくれているようです・・・このイシガキカエルウオさんもご多分に漏れずお魚さんの角膜にあたる眼のところの透明のドームが澄んでいてとてもきれいな眼をしています・・・ところでお魚さんは人間の様に眼を閉じたりしないのでしょうか?・・・異物が飛んできた時など目を閉じなくても大丈夫なのでしょうか?・・・お魚さんは海の中ではいつも濡れているので目が乾きドライアイになる事もないので瞼がなくてもあまり問題は無いようです。

- でもフグさんやサメさんの中には目を閉じたような状態になるものもいるようです・・・フグさんは瞼を閉じるのではなく周りの皮膚や筋肉が目の中心に向かって同心円状に収束し目を覆うという仕組みがあるそうです・・・またサメさんはエサを捕食するときに暴れる獲物から目を保護するために目をギュッと閉じるのだそうです・・・でもこれは「瞬膜」と言われる目の表面を保護する膜を用いて目をつぶっており陸上生物のような瞼を持つわけではありません・・・またナヌカザメさんは休息時に目を閉じ海底に横たわっていますがこれも瞼ではなく「瞬皺」と呼ばれる目の下部の筋肉をギュッと上に上げて目をふさいでいるのだそうです・・・みなさんいろいろ工夫しているんですね。

- イシガキカエルウオさんとスズキ目ヘビギンポ科クロマスク属のタテジマヘビギンポさんが二人仲良く岩の上で行儀よくちょこんと並んで何を見ているのでしょうか?・・・きっと何か2人にとって気になる大事なことがあるのか?ものすごく面白いものがあるのか?よくわかりませんが目の前に何かきっとあるのでしょうねえ!・・・2人並んで目を丸くして見つめている仲良しペアの表情が何とも言えずかわいいですよね・・・それにしてもイシガキカエルウオさんのお腹が膨れているようですが妊娠中ですかね?食べ過ぎということはないですよね?お腹の中に卵のようなものがあるようですから無事生まれてくれることを祈ってます・・・よく見るともう一匹イシガキカエルウオさんのちび助が仲良しペアの尾っぽのところに写っています・・・それにしてもタテジマヘビギンポさんと仲良く並んだイシガキカエルウオさん姿はキュートですね!

- イシガキカエルウオさんは淡い茶色の体色をしていてお腹側は白っぽくて頭部から体側前半に小黒色斑がある可愛い体長5cmほどの小型種です・・・背鰭に大きな欠刻(切れ込み)があり胸鰭の基部にはY字形の模様があります・・・口元に黒いラインが入り別名スマイリーブレニーさんと呼ばれていますがこの口元の黒いラインが笑っているように見えるのでこの名前が付いたようです・・・それにしてもひょうきんな笑顔ですがイシガキカエルウオさんは春頃の繁殖期になるとオスは顔から頭全体が黒っぽく唇は黄色くぶ厚く変わります・・・オスはもてようと変身し慌ただしく動き回るようになりますがこれはメスにアピールするための婚姻色なのです・・・でも残念ながらメスは気に入らないとつれなく足早に逃げてしまうそうです・・・せっかくお色直ししたのにオスも大変ですね。

- ちなみにタテジマヘビギンポさんは岩礁域に生息する大きさは4cm程度の小型のヘビギンポさんの仲間で体色は赤く体側に3本の白い縦縞があります・・・タテジマヘビギンポさんはこの赤い下地に白のくっきりとしたストライプ姿ですがこんなに派手な衣装をクールに着こなせるお魚さんは他になかなかいないですね・・・よく見ると顔の辺りに青白い小さな斑点が散りばめられていて眼がクリクリでしかもクールに着こなせるタテジマヘビギンポさんの名前がヘビギンポでなくてもっとかわいい名前が付いていたらと思うのは私だけでしょうか?・・・先ほどの仲良し2匹を上から撮ってみました・・・横から撮ると寄り添っているように見えましたが意外と距離を取っていましたね・・・それにしてもこの2匹のとぼけた眼は癒されますね。
お餅食べた?お口が白くなったイシガキダイさんの名はクチジロさん!
- なかなかの貫禄あるこのお魚さんはスズキ目イシダイ科イシダイ属のイシガキダイさんで通常全長50cm程度ですが90cmを超える老成個体も記録されている大型の肉食魚です・・・・イシガキダイさんの体型は左右から押しつぶされたような円盤型で顎が前方に突き出ていてイシダイさんと同様に歯が融合しくちばし状になっていますがイシダイさんより口が尖っています・・・イシガキダイさんは全身が灰白色の地に大小の黒褐色斑紋で覆われた独特の模様をしていてこの模様が石垣を思わせることからイシガキダイさんと呼ばれるようになりました・・・ただしこの模様は成長につれて細かくなり老成したオスでは斑点が消失し全身が灰褐色になり同時に口の周囲が白っぽくなるためこの時期のオスを指してクチジロさんと呼んでいます・・・写真のイシガキダイさんもかなり老成しているのか模様は細かく斑点が消失して灰褐色になっている所もあって口の周囲が白っぽくなっています。

- それからイシガキダイさんは同じような所に住んでいるイシダイさんとの天然交雑も確認されていてイシダイさんの横縞とイシガキダイさんの黒斑の両方が現れているのでイシガキイシダイさんと呼ばれています・・・どんな模様になっているのか一度見てみたいものです・・・イシガキダイさんはイシダイさんよりは南方系の暖かい海を好んでいて浅い海の岩礁やサンゴ礁で暮らしています・・・大人になると海底の岩陰や洞窟に潜んだり海底付近を泳ぎ回っていますがイシガキダイさんの特徴であるくちばし状の顎で甲殻類や貝類やウニ類などの頑丈な殻も噛み砕いて中身を食べてしまいます・・・イシガキイシダイさんの産卵期は春で稚魚は流れ藻や流木などに付いて外洋を漂流しますが漂着物に付く小動物やプランクトンを食べながら成長し全長数cm程度になると浅海の岩礁に定着するそうです。

- よく言われますがイシガキダイさんにはシガテラ毒を持つものがいるので食べる時は注意が必要です・・・シガテラを引き起こす毒素はシガテラ毒と呼ばれ20種以上が確認されている毒です・・・ちなみにシガテラ毒とは熱帯の海洋に生息するプランクトンが産生する毒素に汚染され蓄積した魚介類を食べることで発生する食中毒です・・・シガテラの呼称はキューバに移住したスペイン人がシガと呼ばれる巻貝による食中毒の事をシガテラと称したことに由来しています・・・シガトキシンは熱に対して安定で毒素は魚の味に影響を与えず煮汁にも溶け出すので一般的な調理では毒素を熱分解できずシガテラ中毒を防ぐことはできないのです・・・一般に中毒症状は1~8時間ほどで発症し数日にわたる吐き気や下痢や腹痛などの消化器系症状や神経の異常障害などの重い症状が現れこの中毒最大の特徴である冷たさに対する感覚がドライアイスに接触し凍傷に罹ったかのような感覚になる温度感覚異常や血圧異常や心拍数異常などの循環器障害もあります・・・効果的な治療法は未確立で後遺症の回復は1週間程度の例もありますが重症例では半年から数年程度を要することもあるそうです・・・怖いですね。

- イシガキダイさんの全身には大小さまざまな黒褐色の斑紋で覆われていてこの模様が石垣を思わせることからイシガキダイさんという名前がついたそうですが私には石垣というより網目の様に見えます?・・・如何でしょうか?下の写真を見ても石垣というよりは網目に見えませんか?もしかしてアミメダイさん?・・・しっくりこないですねやっぱりイシガキダイさんの方がいいです・・・イシガキダイさんは全長数cm程度から浅海の岩礁に定着しますがイシダイさんより成長が速くより大型に育つと言われています。・・・ちなみに老成したオスのイシガキダイさんはクチジロさんと呼ばれていますがメスのイシガキダイさんは何故か老成しても斑紋がよく残り口の周囲が白くならないそうです・・・イシガキダイさんのメスの方達はいつまでたってもお洒落なんですね。

イソカイカムリさんのその帽子でか過ぎじゃないですか?無理しないでね!
- 下の写真の何処にエビ目カイカムリ科カイカムリ属のイソカイカムリさんが居るかわかりますか?・・・イソカイカムリさんにピントがいまいち合っていないのでわかりずらいと思いますがピンクっぽい色の棒状のサンゴの下でムンズと踏ん張っている小さい黄色いのがイソカイカムリさんです・・・こんなに小さい体なのにこんなにでっかいサンゴを背負って重いだろうし邪魔にならないのでしょうか?・・・このイソカイカムリさんはもしかして「こんなに大きなサンゴでも軽々と持ち上げられるんだよ」って力自慢でもしているのでしょうか?・・・ものすごく力持ちなのは認めますがもう少し小さなサンゴを背負ったほうが動きやすいと思うのは私だけでしょうか?・・・イソカイカムリさんにとってはいらぬおせっかいですかね?

- イソカイカムリさんという名前は貝殻などを背負うということから名づけられていますがこのイソカイカムリさんはサンゴを背負ってうまく擬態しているつもりの様です・・・こんなに小さい体なのに一生懸命踏ん張っているイソカイカムリさんの姿を見ると思わず微笑んで「頑張れ~!!」て応援してしまいます・・・イソカイカムリさんにもいろいろ仲間がいてミゾカイカムリさんやフクイカムリさんにワタゲカムリさんなどいますが区別がよくわかりません・・・磯や浅海でどのカイカムリさんもカイメンや群体ボヤなどを背負っています・・・もう一度言いますが「イソカイカムリさ~ん!ピンクの帽子似合ってますがもう少し小さい帽子の方がいいと思いますよ~!!」

- ちなみにミゾカイカムリさんは浅いサンゴ礁に生息していて外敵に見つからないように第4脚を使いカイメンや海草の切れ端を背負っています・・・海草群落で暮らしているミゾカイカムリさんはカイメンよりも海草を多く背負っておりハサミで器用に海藻の大きさを整えていて担いでいます・・・海草は敵の目を欺くだけでなく餌にもなり枯れてくると新しいものと取り替えるそうですが頭がいいというか合理的ですね・・・フクイカムリさんは日本固有種で甲は前後左右に強く湾曲していて3番目と4番目の歩脚は貧弱でやや上を向いてついていてこの足を使って海綿などを被るように背負っています・・・太平洋側は東京湾から高知県に日本海側では青森県から福井県にかけて棲息しています・・・ワタゲカムリさんの甲は短い軟毛で覆われていて綿毛のようになっていて背中に2対の小さな脚を持ちカイメンなどを背負います。

- このイソカイカムリさんは頭にナポレオンの帽子のようなカイメン(サンゴ?)をのっけていますがおそらく擬態して隠れているつもりなのでしょうがバレバレです・・・のっけた表情が実にキュートでドヤ顔なのですがちょっと抜けた感じが絶妙なイソカイカムリさんです・・・カイカムリさんの仲間には大型で甲幅20cmのオオカイカムリさんやカイメンや群体ボヤを背負っているイソカイカムリさんやミゾカイカムリさんやフクイカムリさんやワタゲカムリさんなどの小型種がいます・・・イソカイカムリさんの甲は幅の狭い楕円形になっていて背面が丸く盛り上がり一面に硬い短毛で覆われ後2対の脚は短くて背中側に位置し先端が鉤づめ状になっています・・・この脚の鉤爪でカイメンなどを上手にしっかりと掴んで背負って隠れているのです。

- カイカムリさん達は世界に約 130種も暮らしていてそのうち日本では約 30種が知られています・・・雑食性でヒトデさんなども食べているそうですが何度見てもイソカイカムリさんは愛嬌があって可愛いやつです♪・・・イソカイカムリさんはフクイカムリさんに良く似ていますがはさみ脚に不規則な顆粒や隆起があるフクイカムリさんと違ってイソカイカムリさんのはさみや歩脚は平滑に近いそうです・・・この写真だとはさみ脚に顆粒の様な物はみえませんからイソカイカムリさんだと思いますがそれにしても生きていくために真剣にカイメンなどを背負っているそのおまぬけ感がたまりません・・・背負っているものがかぶり物のちょんまげに見えて仕方が無いのですが下の写真のイソカイカムリさんは幸せそうに何かを食べていますね!!

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