ユウゼンさんって派手じゃないのに存在感があるのはなぜ?
- 全長は約15cm程度で背びれの後縁が下の写真でお分かりになる通り垂直に落ちているのでユウゼンさんの体形は四角形に見えます・・・チョウチョウウオ科では珍しく全身が黒く地味なのですが体側には非常に小さい白い斑点が散りばめられ背びれ後方と尾びれと臀びれの縁は黄色く彩られています・・・和名は着物などに用いる日本伝統の染め物の「友禅」に似てその繊細な美しさから名付けられました・・・黒地に白の繊細な模様と黄色い部分が少しある程度で派手さはないのになぜか人を惹きつける魅力のあるユウゼンさんです・・・日本人の遺伝子を刺激するのでしょうか?・・・成魚は潮通しの良い水深1-30mのサンゴ礁や岩礁域に住んでいて雑食でプランクトンや魚卵や藻類などをツンツンつつきながら食べて生きています。
- 普段はペアで行動するのですが春と秋に30匹以上がぎゅっと玉のように固まって泳ぐ様子から「ユウゼン玉」と呼ばれる集団を形成することがあります・・・群れる理由は繁殖のためと言われていますが(チョウチョウウオの仲間は集団で産卵する物が多い)実際に産卵の様子が観察されたことはなくその生態はまだまだ謎に包まれています・・・ユウゼンさんは雑食性でプランクトンや岩についている藻などを食べますが他の魚の卵を食べるときにユウゼンさん達はユウゼン玉になることがよくあるのです・・・ロクセンスズメダイさんなどがサンゴや岩にせっかく産み付けた卵をユウゼンさんが集団になってツンツンツンツンとついばむのです・・・卵を守っているロクセンスズメダイさんにとっては「もう集団でそんなことをするのは勘弁してくださいよ!」と言いたくなる大災難です。
- また大きいユウゼン玉ができると何故かヘラヤガラさんという顔の長いお魚さんがユウゼン玉の中にヌ~っと割って入ってきます・・・ヘラヤガラさんは普段から他の大きなお魚さんにくっついて泳いでいますがこれは大きなお魚さんに身を隠し餌となる小魚を狙っているからなのだそうです・・・大きなユウゼン玉はヘラヤガラさんにとってかっこうの隠れ家になるようです・・・話は変わりますがヘラヤガラさんってダイビング中によく見かけますがなぜか憎めない顔をしていますよね・・・それにしても小笠原ではどこでも見られてしまうからありがたみが薄いユウゼンさんですがご存じの通り日本でしか見られない日本固有種の貴重なチョウチョウウオの仲間なのです。
- ユウゼンさんは日本の中でも主に伊豆諸島と小笠原諸島が分布地になっており南大東島などでも見られます・・・それ以外の地域では稀に見られることもあるようですが非常にレアなケースでダイバーが潜って普通に見られるのは八丈島と小笠原といった感じでしょうか・・・本当に小笠原では何処に行ってもお目にかかれるので最初はうれしくて撮影しまくりなのですが段々ありがたみがなくなるユウゼンさんです・・・贅沢な話ですよね・・・ユウゼンさんはたいがい2匹のペアで泳いでいて警戒心が薄く気が強い面もあるのでダイバーに向かって泳いできます・・・私が写真を撮っていると「何してるの何してるの?・・・写真撮ってるんだったら私たちもきれいに撮って!」という感じでヒラヒラヒラヒラとまとわりついてきます。
- 「京友禅」:京都の友禅は柔らかい色調を好み何色が基調になっているのか判別しにくいほどの多彩な色を使っていながら配色に神経が使われ上品で華やかで古風な有職模様や琳派模様など高度に様式化された文様を得意とし刺繍や金箔などを効果的に使った装飾を積極的に併用します・・・「加賀友禅」:多色を用いるが加賀五彩(臙脂、黄土、古代紫、草緑、藍)特に紅色や紫や緑などの深みがあって豪奢な色調が基調となり優雅で艶やかな加賀友禅は有名な「虫喰い」などに代表される写実的な表現を得意とし他の技法との併用はほとんどありません・・・「東京友禅」:東京手描友禅や江戸友禅とも言われる東京友禅の特徴は江戸の街の町人文化を背景とした渋く落ち着いた色合いの中にも都会的センスの洒落感が漂う作風が特徴とされます。
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