アカエイさんですか?砂が目に入りそうですけど大丈夫? 柏島
- あれ?砂の中に何かいます!もしかしてトビエイ目アカエイ科アカエイ属のアカエイさんですかね?・・・砂の中からちょっと眼が見えますが眼をつむって眠っているようです・・・アカエイさんは自分では上手に潜っているつもりなのでしょうがこのアカエイさんの性格なのでしょうが若干雑な気がします!・・・それにしてもこんなに砂まみれになって目の中に砂が入らないのでしょうか?・・・人間だったら目の中に砂が入ってたまらないと思うのですが流石アカエイさんですね邪魔をしないようにそっと撮影いたしましょう・・・アカエイさんは最大幅1.5mに達するエイさんで体は上から押しつぶされたように平たく座布団のような形をしています・・・アカエイさんの左右の胸鰭は緩やかな曲線を描いていますが吻は尖っています・・・確かに下の写真のアカエイさんの口の辺り尖っていますね。
- アカエイさんの背面は赤褐色~灰褐色で腹面は白いのですが鰭や尾など辺縁部が黄色~橙色になる点で近縁種と区別ができます・・・でも写真の様に砂の中に潜っているとわからないですね・・・アカエイさんは背面に目があり噴水孔が目の後方に近接して開いていて鼻孔や口や鰓裂また総排出腔などは腹面にあります・・・体表はほとんど滑らかなのですが背中の正中線付近には小さな棘が並んでいて尾にも短い棘が列を成して並んでいます・・・さらに中ほどには数十cmほどの長い棘があり尾を鞭のように払って刺そうとします・・・この長い棘には毒腺があり刺されると激痛に襲われ数週間も痛みが続いたりアナフィラキシーショックで死亡することもあります・・・棘には鋸歯状の返しもあり一度刺さるとなかなか抜きづらく刺されたらまず毒を絞り患部を水または湯で洗い流した後早急に病院で治療を受ける必要があります・・・なお生体が死んでも毒は消えないので浜辺に打ち上げられたアカエイさんを踏んだりしないように注意しましょう。
- それからアカエイさんの繁殖形態は卵胎生でメスは交尾後に体内で卵を孵化させ春から夏にかけて浅海で5~10匹のおちびさんを出産します・・・おちびさんの大きさは体長10cmほどで背面も腹面も一様に淡褐色になっていて体型は親と同じで想像するにミニチュアのエイさんの模型のようで可愛いですね・・・私が何枚もアカエイさんを撮影していたら「もうせっかく寝ているのにうるさいなあ!ゆっくり寝てられないじゃないか!」ってごそごそと動いて砂の中から出てきました・・・アカエイさん寝ているところをお邪魔してごめんなさい・・・これ以上近づくとボワッと砂を巻き上げながらどこかへ逃げてしまいますので機嫌を損ねない様に向こうに行きます・・・ちなみにマンタさんは非常に大きな翼状のひれを持ち最大で7メートル以上に成長することがあります・・・ノコギリエイさんはノコギリのような長い鼻先が特徴的でこの鼻先を使って砂の中から餌を探します・・・ヒラタエイさんは平らな体と尾に毒針を持ち砂の中に潜んで餌を待つことが多く誤って踏むと刺されることがあります・・・ウシエイさんは広い胸鰭が牛の角のように見えるためこの名前がついています。
マンタさんと違ってアカエイさんのお顔はあまり見えません
通常海底に潜むことが多いエイさんですから顔は見る機会が少ないです
でもエイさんの顔はとてもユニークで興味深い特徴を持っています
顔といっても実際には体の一部ですが海底生活に適した形状をしています
目は背中側に位置しており口の近くにはありません
だから海底に潜っている間でも周囲の状況を把握することができます
口は体の下側で海底の砂を吸い込み餌を取りやすくなっています
歯はプレート状になっていて貝や甲殻類を砕くのに適しています
鰓孔も体の下側にあり砂の中にいても呼吸ができるようになっています
それからロレンチーニ瓶と呼ばれる電気受容器があります
口の周りにあり他の動物が発する微弱な電気信号を感知することができます
エイさんはこれらの特徴を持ったユニークな顔の生物なんです
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